店に入って来た顔を見て和弘、笑顔で、
「いらっしゃいませ。」
そしてコクリとお辞儀。
「こんばんは~~。」
そして、口をすぼめながら、
「杏美ちゃ~~ん、いらっしゃ~~い。」
目をパチクリさせながら夕美子。
そんな夕美子に、
「お邪魔してま~~す。」
杏美。そして舌をペロリ。
健之、
「お疲れ様。」
夕美子に向かって。
自然に健之の隣に落ち着く夕美子。
「お疲れ様です。」
「煌は…???」
洋造。
「明日、午前中に福岡で取材、その後、長崎でも取材と撮影が入ってるから、今日はパス。おじちゃんによろしくって。」
そんな夕美子の右隣で健之、数回頷く。
「へっへ~~。忙しい事で。で~~???」
洋造。
「どうでした~~???」
話しの中に割って入る和弘。
健之、
「…ん…???…っと言う事は…。…もしかして…、例の…???」
隣の杏美、
「例の……って…???」
「あっ、あっ。私も聞きたい。」
若。
「それが何と。」
信玄。
その信玄の声に和弘、そして洋造に健之。
「…ん…???」
「デスクの大学時代の同期だったんです。あの茂木由香里と言う方が。」
そんな信玄の話しに和弘、
「えっ!!!」
洋造、
「はっ???」
健之は、
「うそ…。」
杏美、
「茂木…???」
「いや。実際驚いたのが私の方。」
いきなり夕美子。
「だ~~って…。大学時代とは全くの別人と化してたもん。あれって、完璧に反則よね~~。」
「えっ…???…じぁ~~。大学時代の…茂木さん…って…。…って言うか…。大学時代の同期…って。う~~っわ、凄い巡り合わせ。」
和弘。
「うん、うん。いきなり向こうから私の名前言うんだもん。はっ???えっ???はい???…って、なっちゃうよ。」
「うん、うん。」
頷く健之、ビールを飲みながら。
「ねぇ、デスク…、何の話し…???」
健之の右腕を左手でノックするように杏美。
健之、
「ん~~。」
洋造、
「実は…。ついこの間、あるファッションメーカーの客がいてな。どっか、名の通った雑誌社を知りませんか。…ってんでブリリアントを紹介したって訳よ。」
「與門さんに似ていたでしょ。新條さん。」
和弘。
「うん。ビックリするほど。」
信玄。
そんな信玄をチラリと見て、和弘を見て眉だけ上下に動かす夕美子。
「いやいや。けど…、い~~るもんだよね~~。ああ言う過去を持つ人って…。テレビの中の話し…、だけって、思ってたけど。まさか自分の大学時代の同期にいたなんて…。」
夕美子、唇をすぼめながら顔を細かく左右に揺らして…。
「新條さん、何だか、嬉しそうですね。」
和弘。
夕美子を見ながら洋造、
「ん~~???」
「うん。まぁ…ね。やっぱり、自分の知り合いにも、ああ言う人物がいるってなると、嬉しいよ。逆に応援したくなっちゃう。」
そんな夕美子に、
「へぇ~~。そんなに、凄い変貌振りかぃ…???」
洋造。
「うん。だって、自分からそう言うんだもん。」
「へぇ…、その…、茂木さんが…???」
健之。
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庄司紗千 「雫音〜shizukune〜」
※ご本人の承認の下、紹介させて戴いております。