「でも、これが現実なんだよ。やるしかない。」 | THMIS mama “お洒落の小部屋”

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好きになれない。  vol.104.

ドキドキ 翌朝。雨…。
起きてからテレビと睨めっこの洋造。テーブルの上には新聞。
台所では和弘。なにやら、ぼ~~っと。その傍で鍋が、
「シュ~~。」

和弘、
「わっ!!!…っと~~。ふぅ~~。」

テレビを観ながら洋造、
「かかか。ワコウ~。大丈夫か~~???心配…掛けるな~おめぇにも…。」

「…新條さん…、今日は…雨だ…。走ってないよね…。…まっ、当然と思えば…当然か…。」
和弘、頭の中で…。



こちらも起きてからテレビの点けっぱなし。夕美子と倫洋の部屋。

倫洋、
「姉ちゃん。これ…。」
新聞を見ながら…。

夕美子、
「うん。さっき見た。」

「…ん…???ちょ…、焦げ臭い…。」
倫洋。

夕美子、
「わっ。目玉焼き~~。あっちゃ~~。」



目覚めて朝ご飯を作っている瀬戸。

煌、
「あっ、お義母さん、私が…。」

そんな煌に瀬戸、
「んんん…。ママは…、美希をお願い。…可哀想だけど…。学校…。それに…煌さん…、あなたも…会社…。」

煌、
「えぇ。もしかすると…、場合によっては…。」

瀬戸、
「……。それも…、考えなきゃ…。…大丈夫よ、早瀬は必ず、帰ってくるよ。私たちのところへ。」

乱れたままの髪、そして腫らせた目をしながら煌、
「えぇ。」



健之、自宅玄関で、
「さて…と。」
いきなり着電。
「はっ???若ちゃん…???」

電話の向こう、いきなり、
「デスク――――――っ、もしかして…、與門編集長―――――――っ!!!」

健之、
「えっ???…あぁ~~。ニュースで知ったか…。」

「うんうんうんうん。もぅ~、びっくりしちゃって~~。」
「うんうん。そっか、若ちゃん…、心配してたんだ…。」

「仕事…うちに持って帰ってて昨日は…、ずっと…、そればっかりで…。スマホも電源切ってたから…、全然分かんなくって…。」
「そっか~。お疲れ。…でも、休みの日はちゃんと休まないと…。体に良くないぞ~~。」

「もぅ…とっくに、みんな…知ってるよね~~。」
「あぁ~。多分ね~~。…でも、僕らは…與門編集長の旦那さん、信じてるから…。」

若、
「うん。」



ブリリアントの編集者たち、それぞれが、
「デスク~~。」
「夕美子~。」

夕美子、
「とにかく。事情は今、言った通り、私が與門の仕事、兼任する事になる。そして亜季、よろしく頼む。いいね。」

亜季、
「うん。分かった。…けど…。昨日の、電話での編集長の声、まだ耳に残ってるんだよね~~。」

亜季以外も、心配な面持ちで…。
けれども、そんな雰囲気を断ち切るように夕美子。
「仕方ないよ。でも、これが現実なんだよ。やるしかない。」

「そう、その通り。やるしかない。」

突然編集者の後ろから健之の声。








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庄司紗千 つつじヶ丘の坂道で…。

※ご本人の承認の下、紹介させて頂いております。