そんなルイに由香里、
「ふふ~ん。…若ちゃん。」
「うん。可愛い女子編集者の…???」
ルイ。
「うん。…もしか…したら、彼女…。彼女の…好きな…男性が…。」
そのままルイの顔に、自分の顔を近づけてニッコリと。
その由香里の顔にルイ、
「うそ。へっ???…あの…、若…ちゃんが…???…え~~~~~~!!!」
「そうだとしたら…。どうよ。」
そんな由香里の声にルイ。
「いやいやいや。それは、あり得ないでしょ。幾ら何でも。」
「カカカカ。ワコウちゃんと同じ事言ってる。移ったか、ルイ…???」
「わっ、ほんとだ。」
右人差し指をルイに立てながら由香里。
ルイ、
「でもさ……。ちょっと、ちょっ…。」
話しながら駅に向かうふたり。午後7時半過ぎ。
店に入ってくる面々を見て洋造、
「おやおや…、康太~~。女性陣に囲まれて~~。えぇ~~。」
「…って言うか、編集局に残ってるの、このメンバーだったからね~~。」
與門。
洋造、
「ほぅ~~。」
スツールに手を掛けて夕美子、
「信玄は大学同期との飲み会でキンコンダッシュ。そして他の女性陣は待ちに待った映画の公開日。」
「みんな、一目散。っと~。」
與門。
「あっ、そっか。今日でしたっけね~。マイ・インターン。」
グラスを磨きながら和弘。
「おや、ワコウちゃん、知ってるね~~。」
與門。
その與門の声に和弘、
「えっ…???あっ、いや…。」
チラリと夕美子の顔を見て。
ペロリと舌を出して口の中に引っ込める夕美子、頭の中で、
「…まっ、私が教えたからね~~。」
「それはそうと…。矢萩さ…んは…???」
洋造。
「ふん。今日は、珍しく定時で、おっ先っ。なんて…。帰ったよね~~。」
與門。
洋造、
「ふ~~ん。」
「多分…、お父さん…???」
いきなり若。
洋造、和弘、與門、夕美子、
「へっ…???」
康太、
「ん…???」
「副編集長のお父さん、海外出張から、帰って来る日…???」
首を左右に傾けながら…、
「…だと、思うんだけど…。ヘヘへ…。」
「あっ、そうか~~。うんうん。前に聞いた事ある。そうそう、矢萩さんのお父さん。…えっと…、何処だっけ…。確か…。」
夕美子。
「ニュージーランドの、オークランド。」
與門。
「そうそう。そこそこ。…って、與門…???」
夕美子。
「良~く知ってんね~~。そんな…プライベートな事まで…。」
「な~に言ってる~~。この前、ここで歓迎会の時、言ってたでしょ。」
「だっけ…???」
「か~~~。隣に座っていて、聞こえなかったの~~。」
そんな與門の声に少し変顔するように夕美子、
「わお。」
「でも…、これで…副編集長のお母さん、ホッとしたかも…。」
また突然に若。
「えっ…???」
與門と康太、そして洋造。
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庄司紗千 海をこえて
※ご本人の承認の下、紹介させて戴いております。