風で飛ばされたレミの麦わら帽子。 | THMIS mama “お洒落の小部屋”

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好きになれない。  vol.105.

ドキドキ 「うそでしょ。釣れた―――――――っ!!!」
彩萌、紗枝。

憲央、
「マジで。俺に…釣れた~~。ひょ~~。」

「マジで。なんでお前に釣れて俺に釣れないんだよ。」
信一。

「何々。どんな魚~~???」
可羊子、レミ。


「ハハ、芽久、上手上手。」
園加。

こちらはバドミントンである。3回ミスったら交代。

「園加とアズに敵いっこないけどね~~。…っと…。でも、いざ負けると、しゃくだよね~~。」
弓香。

「こら~~。海野~~。手加減しろ~~。」
史江。

「かかか。先輩、中々強いッスよ~~。」
航。



「これって、なんて言う魚…???」
可羊子。レンタルで借りたバケツの中の魚を見ながら。

「多分、イワナって魚かな…???」
川に向かってまた釣り糸を垂れている憲央。

「小さな点々がいっぱい付いてる。」
可羊子。
「先輩。この魚、どうするの…???」

「あぁ、後で川に放すよ。」

可羊子とレミに顔を向けて。
「ふ~~ん。」

「父さんが言ってたんだ。キャッチ、アンド、リリース。って。」

「キャッチ、アンド、リリース…???」
可羊子、レミ、顔を見合わせながら。

「釣った魚を、生きたままの状態で、川に放すって。」
「おぉ~~。なるほど。」

紗枝、信一の隣に。
「なかなか…釣れないね~~。くく。」

信一、
「うるせぇ~~。」

彩萌、
「憲、私もやりたい。」

紗枝、
「あ~~。私も、次々。」


「はぁ~~。気持ち良い風~~。」
紗枝の髪が風になびく。

憲央、彩萌に、
「こう持って…。…で…。」

彩萌、
「こ…う…???」

「ひゃ~~。」
レミ。
「飛んじゃった~~。」

可羊子。
「わっ。」

風で飛ばされたレミの麦わら帽子。
可羊子、
「わっちゃ~~。川に落ちたよ、レミ~~。」

レミ、
「ごめ~~ん。」

「ちょっと待って。よっ。ありゃ。」
麦わら帽を掴もうと…。また風に、そして川の流れに…。
「待て待て。」
石の上を可羊子。その途端、石がグラリ。
「わっ!!!」

レミ、
「カヨッチ!!!」

そのまま体勢を崩して可羊子、川の中にバシャリ。
可羊子、
「やばっ。」
ただ、右手が水底にすぐ。…ところが、掴んだはずの右手。
掴んだと思った水底がいきなり崩れ。可羊子、頭の中で、
「…うそ。足…着かない…。」
可羊子、そのまま川の中に。

レミ、
「カヨッチ!!!」

その瞬間、いきなり、右側からドブンの音。

レミ、
「えっ…???」

彩萌、紗枝、
「カヨッチ。憲…。」

川辺の方から聞こえた、「カヨッチ!!!」の声で、バドミントンで遊んでいた面々。
そしてその他も、
「どうした――――――――っ!!!!」

水の中で、体をガッチリと抱き締められた感触。
そしてその体にしがみ付く可羊子。すぐさま、水面に。

ふたり、
「ぶわっ!!!」

可羊子、
「わっぷ。わわわわ。」
顔の水を払う様に。

「大丈夫…???カヨッチ。」
憲央。

可羊子、
「うん。うぷ。お~~。びっくりした~~。ありがとう。憲…。」








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庄司紗千 海をこえて

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