忍、目の前の料理を食べながら、
「ん~~。お~いし。」
菫、敦哉、
「でっしょう~~。」
「ふふ。だろ…。」
珂帆、
「ありがとうございます。」
そしてこちら、「雅楽」では、
「ユッキ、悪ぃな、手伝わせてしまってよ。」
「な~に、言ってんの。こんな状態じゃ、絃ひとりじゃ立ち回りできないよ。かかかか。」
夕方から客入りが凄かった。
まさかのまさかで、店の外では行列までできていた。
店の前まで到着した翠、
「はい…???なんなの…この人たち…???えっ…???ま…さか…、並んで…???…え―――――――――っ!!!!」
そして裏口から店に入って、
「ちょっ…、ちょっと…、雅樂じぃ。あれ…ユッキ…???」
雅樂、
「おぅ、お帰り。」
薫郎、
「おぅ、おつかれ。」
店の中を見て翠、
「あ…。あ~~。」
口をポカ~~ンと。
絃、
「みどさん、お帰り。はははは。このありさま。」
苦笑いをして。
翠、
「いやいやいやいやいや。…満席って…。」
そして、
「雅樂じぃ、店の前に、行列。」
雅樂、
「んなこた~知ってるわぃ。店、開けた途端に、このありさまだぃ。なんなんだぃ、今日は。」
「俺も店まで来て驚いた。なんか、今日…あったのかな…???」
薫郎。
翠、
「いやいやいやいや。分かんな…。」
「ユッキ、これお願い。」
絃。
絃からの注文書きを見て薫郎、
「おぅ。」
「おやっさん、ごちそうさま~~。姉ちゃん、勘定頼むよ。」
客のひとり。
絃、
「ありがとうございました~。」
「すみませ~ん。生4つ~~。」
絃、
「あっ。は~~い。」
翠、
「あっ、絃、いい、私、やる。」
翠に両手を合わせて、頭をコクリ。
そして生ビール4つを4人の客に、
「はい。お待ちどうさまで~~す。」
客のひとり、
「あれ…、まだひとり…店員さんいるの…???はははは。それにしても、ここって、可愛い店員さんだよね~~。」
翠、
「へっ…???あ…、はははは。ありがとうございます。」
そしてトレイを胸に、クルリと。そして雅樂を見て。頭を傾げて。
雅樂、そんな翠を見て、けらけらと笑う。
客が出ていけば、また入れ替わり。
翠、絃に、
「どうなってんの…今日…???」
そんな翠に絃、左手を振り、頭を振り、
「わかんない…。こっちが教えて欲しい。」
その時、ある女性客、翠と絃のそばに、
「すみませ~~ん。写真…撮ってもらって…良いですか…???」
その声に、翠、絃、
「写真…???」
「はい。一緒に写真、良いですか…???」
翠、絃、突然の事に、
「…???」
女性客が、翠より絃の腕にしがみつくように…。
翠、頭の中で、
「…私…、お邪魔…???」
絃、自分から離れる翠の左腕を引っ張り、目が、「…逃げちゃダメ。」ゼスチャー。
もうひとりの女性客が翠のそばに来て、
「私も、私も一緒に~~。」
そしてカシャリ。
「ありがとうございました~~。うっれしい~~。」
カウンターの中の雅樂、そして薫郎、顔を見合わせて、頭を傾げて、
「…???」
翠、
「どういう事…???」
そして、今の女性客のテーブルに。
「あの…、大変失礼しますが…。」
その女性客、
「あっ。はい。写真、どうもありがとうございます。」
チラリとその客のスマホを覗き見の翠。
そんな女性店員を見て女性客、
「私、あの店員さんのファンなんです。」
その声に翠、
「へっ…???」
「もっの凄い、綺麗で可愛い~~。それに、凄いスタイル良くって~~。」
翠、そのスマホの画面を見て、
「うわ。絃。」
「もともとは、この人のインスタからなんですけど…。」
「イン…スタ…???」
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
《PR》
庄司紗千 花笠音頭
※ご本人の承認の下、紹介させて戴いております。