「ユッキ、悪ぃな、手伝わせてしまってよ。」 | THMIS mama “お洒落の小部屋”

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好きになれない。  vol.098.

ドキドキ 忍、目の前の料理を食べながら、
「ん~~。お~いし。」

菫、敦哉、
「でっしょう~~。」
「ふふ。だろ…。」

珂帆、
「ありがとうございます。」




そしてこちら、「雅楽」では、
「ユッキ、悪ぃな、手伝わせてしまってよ。」

「な~に、言ってんの。こんな状態じゃ、絃ひとりじゃ立ち回りできないよ。かかかか。」

夕方から客入りが凄かった。
まさかのまさかで、店の外では行列までできていた。

店の前まで到着した翠、
「はい…???なんなの…この人たち…???えっ…???ま…さか…、並んで…???…え―――――――――っ!!!!」

そして裏口から店に入って、
「ちょっ…、ちょっと…、雅樂じぃ。あれ…ユッキ…???」

雅樂、
「おぅ、お帰り。」

薫郎、
「おぅ、おつかれ。」

店の中を見て翠、
「あ…。あ~~。」
口をポカ~~ンと。

絃、
「みどさん、お帰り。はははは。このありさま。」
苦笑いをして。

翠、
「いやいやいやいやいや。…満席って…。」
そして、

「雅樂じぃ、店の前に、行列。」

雅樂、
「んなこた~知ってるわぃ。店、開けた途端に、このありさまだぃ。なんなんだぃ、今日は。」

「俺も店まで来て驚いた。なんか、今日…あったのかな…???」
薫郎。

翠、
「いやいやいやいや。分かんな…。」

「ユッキ、これお願い。」
絃。

絃からの注文書きを見て薫郎、
「おぅ。」

「おやっさん、ごちそうさま~~。姉ちゃん、勘定頼むよ。」
客のひとり。

絃、
「ありがとうございました~。」

「すみませ~ん。生4つ~~。」

絃、
「あっ。は~~い。」

翠、
「あっ、絃、いい、私、やる。」

翠に両手を合わせて、頭をコクリ。

そして生ビール4つを4人の客に、
「はい。お待ちどうさまで~~す。」

客のひとり、
「あれ…、まだひとり…店員さんいるの…???はははは。それにしても、ここって、可愛い店員さんだよね~~。」

翠、
「へっ…???あ…、はははは。ありがとうございます。」

そしてトレイを胸に、クルリと。そして雅樂を見て。頭を傾げて。

雅樂、そんな翠を見て、けらけらと笑う。
客が出ていけば、また入れ替わり。

翠、絃に、
「どうなってんの…今日…???」

そんな翠に絃、左手を振り、頭を振り、
「わかんない…。こっちが教えて欲しい。」

その時、ある女性客、翠と絃のそばに、
「すみませ~~ん。写真…撮ってもらって…良いですか…???」

その声に、翠、絃、
「写真…???」

「はい。一緒に写真、良いですか…???」


翠、絃、突然の事に、
「…???」

女性客が、翠より絃の腕にしがみつくように…。

翠、頭の中で、
「…私…、お邪魔…???」

絃、自分から離れる翠の左腕を引っ張り、目が、「…逃げちゃダメ。」ゼスチャー。

もうひとりの女性客が翠のそばに来て、
「私も、私も一緒に~~。」
そしてカシャリ。

「ありがとうございました~~。うっれしい~~。」

カウンターの中の雅樂、そして薫郎、顔を見合わせて、頭を傾げて、
「…???」

翠、
「どういう事…???」

そして、今の女性客のテーブルに。

「あの…、大変失礼しますが…。」

その女性客、
「あっ。はい。写真、どうもありがとうございます。」

チラリとその客のスマホを覗き見の翠。

そんな女性店員を見て女性客、
「私、あの店員さんのファンなんです。」

その声に翠、
「へっ…???」

「もっの凄い、綺麗で可愛い~~。それに、凄いスタイル良くって~~。」

翠、そのスマホの画面を見て、
「うわ。絃。」

「もともとは、この人のインスタからなんですけど…。」
「イン…スタ…???」







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