「ではでは、か~~んぱ~~い。」
翠、万美、尋音、飛香。テーブル席の4人とジョッキをカチン。
「かかかか、大将、いっつも賑やかでいいねぇ~~。えぇ~~。」
開店と同時に店に入って、飲んで食べている60過ぎ風の男性。
雅樂、
「おぅ、けぃちゃん、ありがとよ~~。へへへへ。」
緩やかではあるが、カウンター席は残り4席。そしてテーブル席は残り2席。
忙しそうに動き回る絃。
翠、
「絃~~。」
絃、そんな翠に、
「ふん…???あぁ~~。まだまだ、全然大丈夫、みどはちゃんと座ってて。」
「う…うん。」
テーブル席の奈都たちはにこにこしながら焼き鳥と料理を美味しそうに食べている。
「うんうん。これ、うんま~。」
美祢。
「ほらほら、璋子、あんたも食べてみな。凄いイケる。」
璋子に食べてるお皿を差し出して。
「これって、タレが良いのかな…。凄いよ。焼き具合もなんも…。お~いしい~~ネギ間~~。」
咲茉。
璋子、
「どれどれ。」
そしてメニューを一口。
「うそ。」
左手を拳にして口に。
「みど、みど、これ。これこれこれ。今までこんなの食べた事ない~~。」
その声に翠、
「かかかか、うちらより、あんたたちの方が、盛り上がってるわ。」
そう言いながら後ろを振り向いて、
「あ~~、それ…。」
そして、他の客のオーダーを訊いている絃に指さして、
「ウチの綺麗な店員さんの発案で~~す。」
美祢、
「へっ、うそ。凄い。彼女が…。へぇ~~。」
その時、ドアがガラリと。
「こんにちは~~。」
店に入ってきた橙。
その瞬間、
「わっ!!!」
翠、万美、
「!!!」
そして、真正面に見える美祢、奈都、
「ゆず。」
咲茉に、璋子、
「へっ…???」
後ろを振り向く。
尋音、飛香、思わず右側に顔を。
「うっ。」
橙、
「あ…。ははははは…、来ちゃった…。」
そして、その橙の後ろから、
「ゆず、どうした~~???」
ゆずの両肩に両手を、そして橙を押して、
「こんに…ちは~~。」
巽である。
店の中にいるメンバーを見て、
「あっ…。」
その瞬間、美祢、奈都、咲茉に、璋子、
「え――――――――――っ!!!!」
翠、万美、尋音、
「あっちゃ~~~~。」
飛香、
「ゆ…ず…ちゃん…。遊馬…くん。あ、あ~~。」
万美、
「いやいや…。来ちゃったよ…。」
思わず泣きそうな声で翠を見る。
翠、途端に顔を左手で押さえて、そのまま下に…。
「なんで…、このタイミングで…。」
気まずそうに橙、
「お…疲れ…様です。」
巽、
「えっ???うそ。ジェシカの…。」
すぐさま、
「はいはいはいはい。いらっしゃい、ゆずちゃん。」
絃がふたりをもてなして、ふたりを飛香の隣に。
絃、巽に、
「退院、おめでとうございます。」
巽、絃に、
「ありがとうございます。それに、その節は…お見舞いまで…。ありがとうございました。」
絃にお辞儀をして。
絃、
「いえいえいえ。元気になって、何よりです。その後、体の方は…。」
厨房でにっこりとしながら焼き鳥を焼いている雅樂。
巽、
「え、え~~。ははは。何とか…はい。みなさんから応援、励まされて。」
「おぅ、兄ちゃん、退院かぃ。」
巽、主人に向かって、
「はい。」
「けけけけ。そりゃめでてぇな。絃~~。俺の奢りでぇ、兄ちゃんとゆずちゃんに、生、一杯な。」
絃、にっこりとして、
「うん。はい。」
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