いきなり両手を合わせて、「ごめん。」のポーズ。 | THMIS mama “お洒落の小部屋”

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好きになれない。  vol.105.

ドキドキ 万美、
「おぅ、おぅ、さっすが、我らの雅樂じぃ。ふふ。」

巽、いきなり、
「あ…。あの…???」

橙、
「お…、おじちゃん…。」

絃が生ビールを準備している中、奈都の席がなにやらひそひそと。

そのムードにいきなり翠、
「奈都~~。美祢さ~~ん。」
口を尖らせて。

奈都、美祢、
「あっ。あぁぁぁぁぁ。」

翠、後ろを振り向いて。
その途端、奈都、美祢。そして咲茉に、璋子。
翠の顔を見て、いきなり両手を合わせて、「ごめん。」のポーズ。

絃がふたりに生ビールを…。

すぐさま、4人…共にジョッキを持って、
「はいはい。巽く~~ん、退院、おめでとう~~。かんぱ~~い。」
巽のジョッキにカチンカチンと。

美祢、
「はい、ゆずも~~。」

橙、
「あっ。はははは。はい。」

尋音、飛香、
「あ~~~。ずる~~い。」

翠、そんな場面に、ようやく、
「ははははは。もぅ~~。ちゃっかりしてんだから~~。かかか。」

雅樂、翠を見て、男性の方に顔をクィっと。
翠、そんな雅樂に頷いて…。雅樂、2、3回、頷く。

絃、厨房に戻って、雅樂に、小さな声で、
「彼が、みどを裏の玄関まで運んでくれた人。そして、ゆずちゃんの彼。遊馬、巽さん。」

雅樂、小さな声で、
「ふ~~ん。」

巽、
「なんだか、凄い、雰囲気いいわ~~。なんだか、ざっくばらん。うんうん。しかも、いい匂い~~。」

橙、
「ふふん。でしょう~~。」

巽、
「さて…。」
品書きを見ながら…。数秒後、
「大将。」

雅樂、
「おぅ。待ってな。今、やってるからよ。」

巽、
「えっ…???」

「快気祝いでぇ~~。」

その声に翠、
「わお。」

万美も尋音も、それぞれ立ち上がって、厨房の中を覗き見、
「雅樂じぃ、や~~る~~。」

その声に美祢、奈都、璋子、
「なになに…???」

尋音、
「快気祝いだって。」

翠、
「かかかか。言ったら聞かないから…。」

そして、遂に全ての席が埋まり、他の客からもオーダー。

雅樂、
「おら。兄ちゃん、ゆずちゃん、どうぞ~~。」

巽、
「わお。旨そう~~。へぇ~~。」

雅樂、
「けけけけ。焼き鳥屋、兼、居酒屋みてぃなもんだから、こんな感じだけど、俺からの快気祝いでぇ。体には優しいもんばかりだ。食ってくれ。」

巽、にっこりと、
「ありがとうございます。すみません、気ぃ遣ってもらって。いただきます。」

「な~~に、気ぃなんざぁ、遣ってねぇよ~~。かかかか。」

絃、
「是非、食べてください。うん。」

橙、
「美味しそう~~。」

隣の飛香、嬉しそうに…。

「良し。雅樂じぃ。私、入るよ。」
翠。

店内を見回し、雅樂、
「おぅ。…だ~~な。」

翠が椅子から立ち上がり、厨房に入る、その瞬間、暖簾を潜って、
「ただいま。」

翠、
「わっと。びっくりした~~。」

雅樂、
「おぅ、ユッキ。けえったか。」

薫郎、
「雅樂じぃ、ただいま。また店の外…、5、6人いるけど…。」

翠、
「はい…???」

店内を見回して薫郎、
「あれ…???ゆず…、それに…遊馬…君…???」

翠、
「うん。退院して、来ちゃったみたい。」

「ふ~~ん。」
そして薫郎、テーブル席を見て、
「わっ。わわわわわわ。あ~~~。」
声を出して、指差して、
「美祢さ~~ん。奈都~~。咲茉に璋子~~。」






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