翠と巽、遊馬家を出て…。
翠、笑いながら、
「かかかか。面白いお父さ~~ん。」
巽、口を真一文字に、
「…ったく…。いやいや…。」
そして、
「今度は…みどの…実家か~~。」
「うん。…でも、ウチのは…、多分…もう…、雅樂じぃ、話…してると思う。まっ、家系が家系で、うるさいのは…かあさんの…親~~。まっ、それも…なんとか…。うん。」
橙のデザインした商品が、その後、再販され、その再販もたちまちに完売。
尚も再販と言う事になり、フレバーの田島川夫婦も、ゆずを絶賛。
博陽、
「かかかか。ゆずちゃん、まさか、ここまでとは…。美耶子。」
美耶子、
「ん~~~。ねぇ~~。」
いつものように賑やかな店内の雅楽。
ひとりの女性がドアを開け、
「こんにちは~~。」
雅樂、絃、
「らっしゃ~~い。」
「いらっしゃいませ~。」
女性、ドアの外に手招きして…。一組の夫婦。
女性、
「ふ~~ん。ここが、雅楽…。」
母親らしき女性、
「まだ、早い時間だけど、もうこんなに…。」
父親らしき男性、
「ふ~~ん。」
絃、
「いらっしゃいませ…。」
娘らしき女性、空いている席を見つけて、
「あっ、父さん、ここ。」
そして店の女性に向かって…。
絃、
「はい。どうぞ~~。」
入口からは右側、少し奥まった席。
絃、その席におしぼりとお通しを。
「いらっしゃいませ。」
その女性を見て男性、
「ふ~~ん。」
笑顔で娘らしき女性と隣の女性に…。
「ふふ。」
娘らしき女性、店員の女性を見て、
「はは。凄い、笑顔…可愛い~~。」
絃、ペコリとお辞儀をして、
「ありがとうございます。」
男性、
「とりあえず、生…もらおうか。かあさんと…、おまえ…???」
向かい席の女性、
「あん。私も生で…うん。」
妻らしき女性、
「私は…ウーロン茶で…。」
夫らしき男性、店員に、
「じゃ…お願い。」
絃、
「はい。畏まりました。」
そしてカウンターに。
雅樂、
「新しい人かぃ。見た事…ねぇな…。」
絃、
「うん。」
そしてメニューが3人の下に。
ビールを飲みながら、娘らしき女性、焼き鳥を一口。
いきなり目を真ん丸く、
「なにこれ…???」
男性も…、口を縦長に、
「ふふふふふふ。」
にっこりと…。
そしてふたり同時に、
「うんま…。」
「うんうんうん。んまい。」
娘らしき女性、いきなり後ろを振り向いて、
「大将、お~~いしぃ~~。」
その声に周りの客、
「かかかかか。雅樂じぃ。」
雅樂、
「あいよ~~。ありがとねぇ~~。かかかか。」
そして、男性の隣の女性も一口、
「あら。ほ~~んと。これ…、あの…ご主人が焼いた…。」
そばの目の前の女性に。
女性、
「うんうん。多分、だって、大将しか…いないし…。」
「そう…よね~~。」
「けど…。妙だな~~。」
男性。
娘、
「へっ…???」
「いや…、これだけ席が埋まっているのに、カウンターだけ、誰も座ってないし…。」
「あっ、あ~~。そう…言えば…。」
3人が食べながらにして30分。店のドアがガラリ。
雅樂、絃、
「らっしゃ~~い。おぅ。」
「はい。みんな…おかえり。」
万美、
「へぃ、ただいま~~。」
尋音、
「お腹空いた~~。」
橙、
「右に同じく~~。」
飛香、
「かかかか。」
「おぅ、万、尋、ゆずちゃん、飛香ちゃん、おかえり~~。」
店の客。
万美、尋音、
「ただいま。平さん。」
そしてカウンターを占領する4人。
そんな、カウンターに座っている女性たちの中に、ひとりの女性を見つけて、遠くから、
「ゆず~~。」
そんな声に橙、
「ふ~~ん、誰…か…???」
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翠、笑いながら、「かかかか。面白いお父さ~~ん。」