ふたりとも、その試作を食べて、
「ん~~っまっ。」
奈都美、伸永。
奈都美、
「うんうんうん。これ…いい、いい。」
伸永、
「お~~いしい~~。」
にっこりと。
奈都美、
「うんうん。それは今、君が食べて分かったから。さて。これを…、どうやって…???」
朋代、
「確かに。味は良くても、見た目だけでは…、伝わらない…と…。」
奈都美、
「うん。美味しさに、プラスしての、外見からも…インパクト。アプローチよね~~。」
そして、
「ねね、これって、優里亜…???」
朋代、
「ふん。ここまで仕上がってるって事だけは…知らせてる…けど…。まだ、実際には…。」
「ふんふんふん。」
伸永、
「…???ゆりあ…???」
「あ~~。ゆりあ。加瀬優里亜。営業のね。」
朋代、
「七瀬の彼氏の翔。その翔の元カノ~~。」
伸永、
「えっ…???そうなんですか…???」
いきなり奈都美、
「トモさん、余計な事…。」
朋代、
「かかかか。悪い悪い。」
けれども伸永、いきなり試作を見ながらまた用紙に。
朋代、そんな伸永を見て、
「かかかか。知ったこっちゃないね~~。」
奈都美、ぷ~たれながら、右目を歪めて、小さな声で、
「少しぐらい、興味持てよ。」
伸永、用紙にサラサラとまたスケッチして、更にデジカメで試作を撮る。
奈都美、
「どう…???上手く撮れた…???」
伸永、伸永の傍で画像を…。
そして、
「うんうんうん。良い感じ。…ん…???」
また伸永から薫る程よい香り。
その時、奈都美、朋代にいきなり耳打ち。
「ねね、昨夜さ、タクシーに乗ったとき、この子の隣に座ったでしょ。」
朋代、
「うん。」
「なんか、良い匂い…しなかった…???」
その声に朋代、奈都美の顔を見て、
「いい…匂い…???」
奈都美、
「うんうん。」
朋代、首を傾げながら、右拳を顎に、
「ん~~~。特に~~。」
そして、
「あっ。でも…、尾田君、家に連れ帰って、玄関の壁で眠ってた時。妙に可愛かったの…気づいた。かかかか。」
奈都美、
「はぁ~~あ…???」
そんな奈都美に伸永、用紙を差し出して、
「七瀬さん。出来ました。これなんか…どうですか…???」
奈都美、
「へっ…???あ。あ~~。」
朋代、クスクスと笑いながら…、
「尾田君って、ほんとう~~に、面白いよね~~。全く…私と七瀬の会話に、興味なさそうで…。かっかかかか。」
笑いながら、
「いま…君の事…話してたのに…。おっかし…。」
伸永、
「へっ…???そうなんですか…???」
その時、奈都美、
「すんごっ。これ…。この前の時とも全然違うってヤツ。ねね、トモさん。」
用紙を朋代に。
朋代も、
「へぇ~~。なんとまぁ…。」
そして同じ研究員に、
「ねね、律っちゃん、これ見て…。」
そして研究員も、
「わぁ~~。いい、いい、いい。うんうん。デザインいいわ~~。」
他の研究員も、
「どれどれ…。」
奈都美、
「ふ~~ん。凄っ。試作だけで、こんなアイディア、デザイン…、思いつくんだ~~。」
朋代、
「もしかして…、七瀬。これ…、提案しても…いいかも…。」
そんな声に奈都美、
「だ~~ね。」
「…と言う事で、課長。尾田君のデザインした試作をモチーフしたデザインです。まだまだ、これからですけど…。目に留めて置いて頂ければ~~。」
奈都美。
傍で伸永も一礼をして。
内海、
「おぉ。分かった。ん~~。いいんじゃないか~~。まっ、まだまだこれから先、いろんな意見…出て来るとは…思うが…。」
奈都美、
「はい。」
そしてまたチョコンと内海にお辞儀をして伸永。
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
《PR》
庄司紗千 きっと大丈夫
※ご本人の承認の下、紹介させて戴いております。