そんな奈都美に翔、
「まぁな…。けど…、諺にもあるじゃん。故きを温ねて新しきを知る。」
その声に奈都美、
「ぷっ。翔、時々、全く予想突かない事、言うよね~~。」
「なんで~~。」
そして、
「悪ぅ~ございましたね~~。」
口を捻じ曲げて。
そんな翔を見ていきなり笑う奈都美、
「かっかかか。その捻じ曲げた口~~。おんもしろ~~い。変顔~~。」
「うるへぇ~~。」
奈都美、
「かっかかか。」
そして資料を持って資料室のドアに。
「ナツさぁ~~。」
翔。
その声に奈都美、
「ドキッ。」
そして、後ろを振り向いて、
「ふん…???」
翔、
「あ。あ~~~。」
そして、照れ臭そうに笑いながら、
「あ…、いや…。はは。なんでもない。はははは。」
そんな翔に、
「な~~によ~~。もぅ~~。はいはい。行くよ。仕事。仕事。」
翔、
「はは。あ~~。」
そして奈都美がドアのノブを…。
「ナツ~~。」
奈都美、
「だから、な…。」
後ろを振り向いて…、いきなり翔の顔が顔の真正面に。
目を見開いて奈都美、
「!!!」
「俺と…、付き合ってくれ…ないか…???」
いきなり自分の目に飛び込んできた翔の顔。
口を尖らせて奈都美、キョトンとした顔で…。
そして数秒。面と向かうふたつの顔。
真剣な顔の翔。真ん丸い目の奈都美、2、3回、瞬き。
そして奈都美、
「う…、うん…、いいけど…。…付き合っても…。」
そしてまた数秒、見つめ合って…。
そして翔、にっこりと、体を後ろに、
「…や~~~った~~~。かかかかか。」
そのリアクションに奈都美、両目を右左に。尖らせた唇を緩めて、
「び~~っくりした~~。翔に食べられるって思った~~。お~~~。」
そんな声に翔、
「はぁ~~あ…???」
「だって、顔の真ん前だよ、私の。物凄いド真剣な顔で…。」
「かあ…、ははは。ごめん…。でも…、ありがとな、ナツ~~。」
そんな翔に奈都美、
「ううん…。実は…前々から、私も、翔、いいなって…。」
その声に翔、
「へっ…???」
そしていきなり奈都美に抱きつ…。
その瞬間、奈都美、翔の左頬をペン。
「勘違いすんな。ま~~だ。」
そして舌を、
「べぇ~~~。」
翔、
「あ…。ははは。は。…かか、ごめん、つい…。」
けれども奈都美、
「かかかか。でも…翔~~。好きだよ。」
翔、
「うん。はは。ありがと。俺も…ナツ。」
「うん。」
そして、その日の内にライン。そして数日後。
お昼休みに葉月、
「何々、ナツ~~。なんかいい事あった~~???」
弁当を食べながら。
「なんだか、嬉しそうじゃん。」
木綿子も、
「彼氏…でっきたっかな~~。かかかか。」
その声に奈都美、
「ドキン。」
葉月、
「お~~っと~~。図星ときた~~~。か~~~。」
奈都美、
「トップシークレットだからね~~。」
そして2人にひそひそと。
木綿子、葉月、
「う~~~~っそ。」
そして木綿子、
「なんとも、なんとも。」
葉月、
「あの、翔と~~。」
「カンちゃん、声、おっきぃ。」
木綿子、
「いやいやいや。だ~~って。営業の加瀬優里亜の、元彼だよ、翔~~。」
こちらも小さな声で…。
奈都美、むすっとした顔で、
「知ってるよ、…んな事。」
葉月、
「大丈夫なの~~???」
奈都美、そんな葉月の声に、弁当を食べながら、
「…んな事…言ったって…。向こうから…、アプローチ。それに…、この事って…。」
木綿子も葉月も…、
「この事って…???」
顔を見合わせて…。
「部長から…、話…持ちかけられた~~。」
その声に木綿子も葉月も目を真ん丸く、
「うっそ!!!」
「だから…、尚更…。大丈夫かも…って…。」
木綿子、葉月、への字の口。
「言っておくけど…、私から…じゃ、ないからね~~。部長からは、気に留めておいてって、言われただけだから…。」
そして、
「…なんだけど~~。」
木綿子、
「翔…好きなんだ~~。」
奈都美、少し考えながらも…、コクリと…。
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庄司紗千 つつじヶ丘の坂道で…。
※ご本人の承認の下、紹介させて頂いております。