歩き出す姉に伸永、「女の…人…。」 | THMIS mama “お洒落の小部屋”

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好きになれない。  vol.095.

ドキドキ 「…って言うか、入社してすぐに、そんな仕事…出来る訳~~???」
伸永に梨花。

「…んな訳ないじゃん。ちゃんと、もうひとり、先輩社員、いるよ~~。」
「…でっ、しょうね~~。男、女…???」

そんな姉に伸永、
「姉ちゃん。」

梨花、
「はいはい。分かりました~~。じゃ、帰るわ。」

そしてバッグを持ち、立ち上がり、歩き出す姉に伸永、
「女の…人…。」

「ふ~~ん。」
「なつみ…って…、人…。」

「ふ~~ん。」
そして、またテーブルの伸永のスマホを持って、
「ふんふんふん。奈都美…さんかぁ~~。くく、しっかりと登録してある~~。」
その画面を伸永に見せて、
「ふふ。」
そしてスマホをまたテーブルに戻して、
「じゃね~~。姑と舅、小姑が、待ってる~~。」
リビングから廊下に出て、玄関に、
「あっ。ノブ~~。」

伸永、
「え~~~。」

「あの…さぁ~~。瀧澤部長~~。」
「あ~~。」

「よろしく言っておいてね~~。私が、感謝してるって~~。」
靴を履きながら、
「私もライン送っておくけど~~。」

遠くから、
「分かった~~。」

「鍵、しっかりお願いね~~。おやすみ~~。」


そして、ガレージの車の中でスマホに文字打ち。
「OK~と。」




テーブルの上のパソコンで画面を見ながら。そしてマグカップのコーヒーを啜って。
左手には一枚の書類。
すると、
「ピコピコン。」
スマホからラインの着信音。
「ん~~???…あは。ははは。梨花さ~~ん。ん~~。何々~~。お馨~。ありがと。ノブに会社の友達、出来たみたい。あやつのスマホにその友達の電話番号登録。それに、昨日は、その友達とお酒飲んだみたいだし。助かる~~。んじゃね。」
メールを読みながら馨子、
「はは、そっか~~。ノブ君、ナッちゃんたちとお酒~~。ぷっ、きっとマルシェねぇ~~。うんうん、OK、OK。どんどん仲良くなっちゃえ~~。」
そして今度は着メロ。
「おっと~~。はい、お疲れ~~。」

スマホの向こう、
「あ~~俺~~。明日帰るわ~~。予定よりスムーズに行った~~。」
馨子の夫、航(わたる)である。

馨子、
「なんと、3日も早い。かっかかかか。」

「そっち、変わりない…???」

コーヒーを飲んで、
「うん。大丈夫。OK。気を付けて~~。ハニ~~。」
そこまで言って、
「あ~~っと~~。シンガポール土産…、ねっ。」

その声にスマホの向こう、
「もう…買いました。ダーリンの好きなヤツ。」

「お~~っと~~。さっすが~~。……、うん。うんうんうん。へぇ~~……。」





上下アニマルのルームウェアを着て、髪をバスタオルで拭きながら、
階段を上りながら奈都美、
「ふ~~。スッキリした~~。妃呂~~。お風呂上がった~~。」

向かいの部屋から、
「あ~~い。」

部屋のドアを開けて、ベッドに背中から、バン。
「ふ~~~。」
頭の中に浮かぶ、伸永の顔。
「ふ~~~ん。どうすりゃいいのかね~~。ああいうタイプ~~。本音っちゃ~~。苦手なんだよね~~。」
口をへの字にして。そして顔をテーブルの上のスマホに。
「…ん…???…電話…来てたか…。うぃっしょ。」
そして画面を…、
「はい…???」
そして、
「うっそ~~~。有り得ないでしょ。」
そして、
「マジマジ…、ねぇねぇ…、うそでしょ。なんで…???ひぇ~~~。」
そしてなぜかしらドキドキしながら、不在着信に指でポン。

3回のコール。5回のコール。けれども相手は出ない。
そして10回のコール。
「あ~~ん、もぅ!!!」
そして耳元から離して終了ボタンを…。その時、
「もし…もし…。」

その小さな声に奈都美、
「へっ…???」






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