「素敵な男性…見つかるわよ。」 | THMIS mama “お洒落の小部屋”

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好きになれない。  vol.102.

ドキドキ 株式会社ル・モンド、オープニングパーティ。

志穂梨、ステージ上で、
「新しい夢のために、かんぱ~~い。」

スタッフ、ゲスト一同、
「かんぱ~~い。」



「あらためて、ようやく、一緒に。これから是非、よろしく、勝巳芳樹専務。」

芳樹、志穂梨とがっしりと握手して、
「こちらこそ、よろしく。」


「ふ~~ん。くくく。このふったり~~。くっつけちゃおうかな~~。」
ワインを飲みながら紅愛。

「かかかか。お手並み…拝見といきますか~~。クレアちゃん。」
ビジネススーツを着こなしての神津幸也。

「幸也のパパも…手伝ってくださるぅ~~。素敵なスーツ…。」
幸也のテーラーをさりげなく触りながら。

「かかかか。もし、クレアちゃんの手に余るようなら…ねっ。」
「さっすが~~。頼りになるぅ~~。」

「だから、まずは…お手並み拝見。」
「ふん。こんな素敵なスーツだと、尚更、張り切っちゃうね~~。」

「一応…、経営コンサルタント、経営させて…頂いてますから…。はい。」



そしてこちらでは、いつもの席で、
もはや、隣に座ることは…ないであろう席にパッグを置いて。
カウンターには、誰も飲むことはないであろう、注がれていたブランデーグラス。

そのグラスにカチンと。
そして一口。
「ふぅ…。」
小さな声で、
「もぅ…、振り向いても…くれないよねぇ…。」


「加瀬ちゃん、まだ若いんだから…。それに可愛いし、まだまだ~~。素敵な男性…見つかるわよ。」
しょぼくれている優里亜に優しく語り掛ける女性バーテンダーの伊久美翼(いくみつばさ)。
「まぁね~~。勝巳さんも…、彼なりに、今度が、最後の勝負って感じで…、ル・モンド…、行ったんでしょうね~~。営業から、いきなり専務でしょ、凄い出世じゃな~~い。応援、しなきゃ~~。」

優里亜、
「もぅ~~。ママまでそう言う~~。」
また一口、アプリコット・フィズを…。

ドア開けて、新しい客が入ってきたのだろう、翼、
「いらっしゃいませ~~。」

「おぅ、ママ、久し振り~~。」
二人連れの客。

優里亜、
「ふ~~~ん。」
スマホの画面、表示は、勝巳芳樹。そして、画面を何度もスワイプして、
止まった箇所が、幸村翔。

電話をしたのが、もう…、1ヶ月前…。

一息、
「はぁ…。」
そして、何気なく左手でスマホを弄りながら、自然に背中を背もたれに。
左手でスマホを持ちながら腹部の方に…。
そして再びスマホの画面を…、
「えっ…???なんで…???」
スマホの画面は…、「発信中。」
「うそうそうそうそ。」
いきなり慌てて…、けれども…、
「えっ…???」
まだコールし続けている。そして、そのまま、
「ただいま、電話に出る事が出来ません。……。」の音声に…、
「へっ…へっ…???…いやいやいや。」
そのまま終了ボタン。




「…???出なくて…良かったんですか…???翔さん…???」
翔の隣で伸永。

その声に翔、
「知らない番号…。最近俺…、こういうのには…、出ない事にしてる。」

伸永、
「へぇ~~。そういうものなんですか~~。」

「…って、言うか、尾田ちゃん、そういう…電話…来ない…???」

そんな声がした途端に、伸永の目の前のスマホをヒョイと取り上げて、
「尾田君、電話…してないもん。それに、電話…来てないもん。」
伸永の隣で奈都美。
「かっかかかか。履歴が、お姉さん。私、ユッコにカンちゃん。だけ…。」

翔、
「は・あ…???それも、チト、寂しかないかぁ~~???」

「なに、それより翔~~。電話って誰~~???変な…セールスとか~~。」

奈都美の声に翔、
「ん~~。…だと思うんだけど…、結構長かったような…。…けど…、誰だよ、この番号…???」
画面を見せて。

奈都美、
「ふん…???全然…。」
顔を左右に振って…。

「まっ、スルーすれば、掛かって来ねぇだろ。」







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