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タクシーに乗りながら橙、
「美味しかった~~。」 巽、 「あぁ~~。しっかし、あの…杉浦君。料理…上手い~~。もしかして…、俺より…。」 橙、気持ち良さそうに、ゆったりとしながら、 「ふ~~~ん…。」 「うん。俺より…、料理…上手いかも…。」 瞼が疲れたように、そして…体の力が抜けるように…、 「だれ…が…???ユッキ…???」 ニッコリとしながらの橙、目を閉じたまま…。 巽、いきなり橙の口から洩れた言葉、 「ユッキ…???」 その瞬間に、橙の頭が巽の右肩に…。 巽、 「ゆず…、今…なんて…???」 静かな寝息で眠ってしまった橙。 「おっとっと。寝ちまったか…。」 そして、 「まっ、確かに、飲んでたもんな~~。」 橙の右肩を優しく抱きながら…。 巽、以前の事を思い出して、 「ぷっ。しっかし…、これって…、デジャブ…???あんとき、みども…そうだったよな~~。タクシー、乗っても起きなかった。店の裏口の玄関でも…起きなかったもんな~~。」 そして、 「それにしても、あれから…10年。また…みどが、近くにいる。はははは。」 その数秒後、 「…ん…???運転手さん…???」 タクシーの運転手、 「お客さ~ん。ちょっと、時間…掛かるみたい…。工事中でさぁ。」 巽、 「あぁ…。はい。」 巽の右脇に抱かれながらの橙、何故か涙を溢して…。 アパートの前で止まるタクシー。 巽、 「かかかか。完璧に熟睡か…。さて。」 タクシーの運転手、 「お客さん…大丈夫ですか…???なんだか…足取り…???」 巽、 「あ~~。いや…。はい。なんとか…。はははは。」 そう言いながらも、部屋まで一緒に橙を送り届ける運転手。 巽、 「ありがとうございます。」 運転手、 「あいよ。毎度~~。」 巽、橙の部屋の暗証番号を押して、ようやく橙をベッドに。 「飲み…過ぎ…たか…ゆず~~。」 ベッドの上で静かに眠っている橙。 「…けど…。ありがとうな。毎日、毎日、見舞い来てくれて。ゆずと、みど、そして店長の見舞い…なかったら、こんな風になっちゃいなかった。」 巽を背に眠っている橙。 そんな橙の閉じているはずの…まつ毛を濡らして…涙。 「ゆっくり…、おやすみ…。」 そして、 「さて…、帰るか…。」 立ち上がり、ドアに向かって一歩、二歩。 「うっ。うっ…。うう…。」 巽、 「へっ…???」 目をパチクリさせて、 「えっ…???」 後ろを振り返り、 「ゆず…???ゆず…???」 体を震わせて泣いている橙。 すぐにベッドに戻って、橙の肩をさすって巽、 「ゆずっ。」 そして自分の顔を向かせて巽、 「ゆず。」 口を真一文字に閉じて泣いている橙。 「ゆず…。まさか…おま…。今の俺の話…???」 橙、ただ、ただ、体を震わせて泣くばかり。 そしてようやく、 「巽…、チーフの事…。」 しっかりと巽に向き直って。 「う…。う…。巽…。うっ。うっ。やっぱり…。巽…。」 巽、 「ゆず…。」 「みどって…、みどって…言ったよね…。巽…。」 泣きながら、掠れた声で、橙。 そして、いきなり、 「あ…、あ~~~~~。」 泣き声と共に、巽に抱き付く橙。 「あ~~っは、は、は、は~~。」 巽に抱き付きながら、巽の背中を叩く橙。 自分に抱き付いて泣く橙。 ただ、巽はそんな橙の体を支えるだけで…。 「ゆず…。ゆず…。」 そして、ようやく、一言、 「…ごめんな…。」 その声が橙に聞こえたのか…、また再び橙の鳴き声、 「あ~~っは、は、は、は~~~~。」 そして、遂に、橙をしっかりと、抱きしめる巽。 ※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※ 前後2wayカシュクールワンピース/ユアーズ(ur's) ユアーズ ur's 前後2wayカシュクールワンピース (カーキ) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2020.02.17 17:13:58
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