くろやなぎ農園 農園便り

長野県上水内郡飯綱町で自然農法の米、野菜、果物を育てています。援農、農作業体験したい方大歓迎、後継者募集中。

サルナシの思い出

2018-09-30 | 果物
秋になると毎年飯縄山へきのこ狩りに出かける。

1997年の秋いつもの場所でいつもの様に、きのこを採っていると
 
谷底から何かが呼んでいるような気がする。谷底はどうなっているのだろうか。
 
急な斜面を降りてみると、美しい沢がありきれいな水が流れている。
 
景色に見とれていた時、木に絡みついたつる性の植物に
小さな実がなっているのを見つける。
 
よく見るとサルナシのようだ。今まで図鑑でしか見た事がなかったが、
まさしくサルナシだ。
 
天然のサルナシの特徴は、葉の付け根の部分が赤いのでそれでわかる。
 
採ろうと思ったが、木に巻き付いていて高い所にあるので手が届かない。
 
せっかくここまで来たのだから採って帰りたい。木を倒せないだろうか。
 
どうしたものかと思案していた時、そうだ軽トラックにのこぎりが有る。
 
車まで戻るのは大変だが仕方がない。木を切り倒してサルナシを収穫する。
 
かごいっぱいのサルナシをもって急斜面を登るのはとってもつらい。
 
来年以降もサルナシを採りたい。しかし毎回谷底までの往復はあまりにも大変だ。
 
そこでサルナシの木の根を持ち帰り、畑に植えることにする。
 
その年の10月下旬サルナシの木の根を採りに行く。
 
掘り起こし根を体に巻き付けて谷の急斜面を登る。
 
サルナシの根は意外と重い、空身でも大変なのにこれだけの重さは身にこたえる。
 
ちょと登っただけで動けなくなる。半分ほど捨てようか
いやせっかく持って来たのだから頑張ろう。
 
しばし休憩をしてまた登り始める。やはり重たい半分も登らないうちにまたも休憩。
 
秋の日は釣瓶落とし、そうこうしている間にあたりは暗くなり始める。
 
暗くなるまでに車まで戻れるだろうか。午後から作業したのがまずかった、
 
午前中からやればよかった、しかし今更しょうがない。
 
熊か何かが出てこないだろうか、急に不安になってきた。
 
とりあえずここに根を置き、明日出直そうかと思うがそれも大変だ。
 
結局休むこと10回ほど、へとへとになって車にたどり着いた時は
既に真っ暗になってしまった。
 
次の日はあまりにもくたびれていて、サルナシの木の根を植える気力も体力もない。
植えたのは2日後。
 
その後種苗会社のカタログにサルナシの苗木が掲載されているのを見つけて
 
取り寄せて植えてみた。
 
種苗会社のサルナシは大粒だがあまり美味しくない。天然のサルナシの方が
はるかにおいしい。
 
そこで種苗会社から取り寄せたサルナシの木は片付けてしまう。
 
こんな思い出のあるサルナシは、今沢山実を付けてくれる。


 
 
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