パソコン上達日記2

日々の雑感を戯れに綴ります

朝ドラ「エール」感想

2020-06-13 16:15:41 | 番組コラム

はね駒を毎朝見てから出勤している。最近のはね駒で明治三陸地震をリアルに描いていてとても感動した。このはね駒、当時のアイドル斉藤由貴主演でのためか、コミカルさのある少女漫画のような展開だなと思っていたけれど、このあたりからグッと見ごたえがあがる気がする。いつの世も人が思うことは同じなんだなぁという感慨があった。


このドラマのあと、「ついで感覚」でエールを見るが、昨日は最終回(コロナによる一時的中断)のような雰囲気だった。コロナという災厄に見舞われた上での撮影は難しかっただろうし、やっつけ感のある終わり方だったが、まぁそれは仕方ない。


私が何故エールを見たのかという理由に作曲家「古関裕而」という人物に興味があったのと、演技力に定評ある主演の窪田君他二階堂ふみ、唐沢寿明、薬師丸ひろこなどキャスティングが素晴らしいので。

ところが、である。

これは個人的な感想だが、まずはね駒を見終わってからのエールは時々「うるさい」感じがする。情感ぶち壊しだなと思ったこともある。これはエールが悪いわけじゃない…はね駒のドラマが優秀なため見終わった後観客に、感情の余韻を残す。この静かな余韻に浸っていると、エール独特のコメディチックな「あ~」みたいな叫び声からOPが始まるのが原因。これはNHKの番組編成の問題かと思われる。エールだけなら、気にならない部分がはね駒のせいで、そう「うるさく」感じてしまうのかと思った。

はね駒もおしんと比べると、コメディ寄りかなとも思えるが、そこは昭和の朝ドラマ。重みが違う。はね駒は三陸地震から考えると、ドラマの時は明治29年前後かと推測でき、エールは主人公が現在昭和初期にいると思われる。時代感の違いはあるのだが、それにしてもエールは全く時代設定という部分を考慮しない作りになっている。前述したような言葉遣い、細かい所作、キャストの考え方、などなど。まぁ「なつぞら」も結構そう感じたがそれ以上にエールは、はね駒ににあるような時代風俗の表現を全く考慮していない。

これをどう思うか、だが私のような古いドラマ好きな人間は違和感を覚えるだろう。がまたエールは「4Kドラマ」というカテゴリを背負っている。4Kドラマは「麒麟がくる」でもそうだが、とにかく色鮮やかに何もかも演出される。(じゃないとたぶん4Kの良さみたいなものが生かせないからだろう。)時代的な設定より、こちら画面のカラーや4kの見栄えを優先しているんだなとも思える。

ただ気になる部分は他にもある、脚本的な部分で粗いと感じる。言い出したらキリがないのだが、「ご都合主義」が全体的に多い。唐突な感じでいきなり局面が変わってしまうなと感じる話がいくつかあった。これをあまり不自然に見せないのは、エールのキャスティングの素晴らしさかと思う。窪田君は周りとのバランスを考えた演技をされるし、二階堂さんもうまい。彼女の泣きの演技の迫力は若手女優№1と言われるのも分かる(彼女の豊橋方言も私は巧いなと思う、なんでもない台詞に乗せてる部分とか)逆に言うとこれだけの実力派を集めているのに、もったいなさを感じてしまう。

志村けんさんが突然亡くなられたが、このドラマでは重要な大変面白い役どころを演じてられていた。好々爺かと思いきや才能ある若者に怯え嫉妬する成功した大作曲家。こうした面白いキャスティングもあった。また、人物の台詞とバックに流れる音楽を一致させてく演出は斬新だった。ミュージカルにあるようなダイナミックさを感じてこれまでの朝ドラにいような発想・楽しさがあった。これがどう続いていくか好きだったので興味があり見続けていたのだが。

先週NHKBSの別番組で古関裕而の実像に迫るドキュメンタリーを放送、大変面白く天才作曲家の人としての姿を探すような番組だった。本当に惜しいけれど、エールでは祐一の「天才性と人間性」が深みをもって表現されていないように思う。このためドラマのエピソードにあるわりと史実に忠実な部分でも、フィクションのように感じられてしまう。、せっかくこの古関という偉大な日本の作曲家をモチーフにしたなら、天国の古関裕而氏も拍手を送りたくなるようなドラマ(理想が高すぎかなw)に出来ないのかということだ。現実に私の母はこのドキュメンタリーを見て「もうエールは見なくていいなぁ」とつぶやいていたが、このドキュメントと同じかそれ以上に楽しく描くことがフィクションの可能性じゃないかなぁ。このドキュメントを見て「エール、もっと見たくなる」のがフィクションの良さじゃないか。

来週からは再放送するのかと思っていたら、エールに出演するその他の人々のスピンオフドラマでびっくりしてしまった。スピンオフするなら、もう少しこの金曜放送分を丁寧に描くことは出来なかったのか、祐一が家を継がなかったことに対して叔父の葛藤など面白い題材もたくさんあったのに残念だなぁという感想。

むしろミュージカルドラマとして見れば私は結構楽しいだけに、そちらの方向にシフトしてみてもいいんじゃないかなぁ。

 

 

 


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