前回に引き続き、ご紹介(自分自身の記録?)したいのは、『科学的に正しい筋トレ』庵野拓将 著という本です。「科学的」とあるように、この書籍に紹介されている内容は実験によって確かめられ、現在では正しいとされている情報です(ただし、筋トレに関する研究は近年盛んになったばかりであって、今後この情報が覆る可能性もおおいにあると、著者も認識していらっしゃいます)。

本書の大部分は、筋トレに関する有益な情報を支える実験内容で占めていますが、今回の記事では筋トレに関する有益な情報を先に示し、実験内容については簡単にご紹介させて頂きます(ご興味ある方は、書籍を手に取っていただくか、本書の元になったブログ(リハビリMEMO)を御覧ください)。

筋力を高めるための有効な方法

  • 筋力を高めるにはより多くの「大きな運動単位」を動員する必要があり、それに有効なのが高強度の重量を用いたトレーニングである

先日アップした記事では筋肥大の鍵は一週間におけるトレーニングの総負荷量という内容をご紹介しました。総負荷量ですから、重い重量ではなくても回数を重ねれば筋肥大は起こります。それに対して、筋力を高めるのに高強度のトレーニングが有効であるという情報を目にして戸惑う方も多いかも知れません。つまり、現代のスポーツ医学では「筋肉の量」=「筋力」ではないのです(勿論、正の相関関係はあるのでしょうけれども)。

ここで、鍵となるのが「神経活動」です。以前も紹介しましたが、脊髄から伸びている運動神経は複数の筋線維と繋がりユニットを形成しております。

少ない数の筋線維とつながっているユニットを「小さな運動単位」と言い、多数の筋線維とつながっているユニットを「大きな運動単位」と言います。一つ一つの運動単位がバラバラで動いているようでは強い力を出す事が出来ません。より多くの運動単位が動員され、また同じタイミングで活動することにより大きな力を出すことが出来るのです。

この様に神経のネットワークを再構築していくために必要なのが、ほぼ未経験の高強度のトレーニングなのです。

2017年、ニューヨーク市立大学のシェーンフェルドらは、トレーニング強度と筋力増強の効果を調べた21件の研究報告をもとにメタアナリシスを行いました。解析のもととなったデータを、1RMの80%以上の「高強度」、同80%未満の「中~低強度」のグループに分類し、6週間のトレーニングによる筋力増強の効果について分析した結果、高強度トレーニングのほうがより有意な筋力増強効果があることが示されたのです。

この結果を受け、「筋力を高めるためには、高強度の重量を用いたトレーニングが有効であり、これは神経活動の適応のメカニズムに一致する」と述べています。

『科学的に正しい筋トレ』庵野拓将 著・94-95頁

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