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「ヘテロゲニア リンギスティコ ~異種族言語学入門~」がコミュニケーションに必要な要素を教えてくれた

ヘテロゲニア リンギスティコ、という漫画を衝動買いしました。

人の世界と魔界がつながっている世界観のもと、人間の若者ハカバ君が魔界の言語やコミュニケーションの研究のため、魔界を旅するお話です。

タイトルの副題にあるように異種族の言語に焦点をあてた作品であり、バトル要素は皆無。ハカバ君が多種多様な魔界のモンスターとコミュニケーションに四苦八苦する様を微笑ましく眺めましょう。

この作品、モンスターの特性とソレに適したコミュニケーション方法がよく練られています。人型のモンスターは声でのコミュニケーションが可能だったり、それでも他の感覚による言語が主であったり。声帯が無いモンスターは、それに適したノンバーバル・コミュニケーション、まぁジェスチャーですか。そんなところまで、考えられています。

で、学者の卵であるハカバ君は新しいモンスターに合う度に話がまともに出来ず、習ったことと教授のメモ、あとは可愛い相棒を頼りにどうにかしてコミュニケーションを取ろうとするわけです。

そんな悪戦苦闘を微笑ましく見られるのは、ハカバ君にも相手方のモンスターにも共通の思いがあるからです。コミュニケーションを取りたい。相手に自分の意図を伝えたいし、自分も相手の意図をくみとりたい。そうしたお互いの優しさ、暖かさがあるからこそ安心して読み進められるのです。

この姿勢は漫画だけの話ではない、と私は思います。現実の世界でも、言語が通じる通じないの前に、お互いがコミュニケーションを取ろうとする意思が必要です。

自分はたまに仕事で海外に行きます。僕は英語の会話は拙いし、現地の言葉はほとんど話せません。それでもなんとか仕事が前に進むのは、僕の伝えたい内容を、相手方が受け取ろうとしてくれるからです。そうした姿勢があるからこそ、変な言い回しでも察してくれますし、絵やジェスチャーや、使えるものは何でも使おうって感じになります。

思えば、同じ日本語の話し手にも、話が通じない人は存在するものです。そうした手合は、たいてい自分の言いたいことだけを言って満足するタイプです。こうした相手には、こちらが何を言っても伝わりません。

相手への尊敬、お互いに相手を理解しようとする意思。これら無しにはコミュニケーションは成り立たちません。

現実でもネットでも、尊敬を欠いた独りよがりなコメントに出くわすことは、ままあります。そういうモノに直面すると、疲れるんですよね。そんなときはヘテロゲニア リンギスティコを読んで、優しい世界に癒やされようと思います。

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