コルクもDIAM使ってます。
1000円以下のワインと考えると、かなりお値打ちなワインですね。
スペインのワインは細分化された原産地呼称や、大量生産される安いバルクワインに大きく2分されているという勝手な自分内イメージですが、やはり近年のスペインワインは凄い。
外観は淡い赤色で、これから少しずつオレンジ色に変化していく手前の段階ぐらいに見えます。
グラスを回すとテンプラニーリョの独特な甘い香り、タバコの様なニュアンスもしっかり出ていて、レーズンやプルーン、なめし皮の様なニフレーバーもあります。健全なブドウで作られたワインというのが分かりますし、骨太な印象を感じます。必要以上の樽香も無くテンプラニーリョの特徴も良く出ているので、テイスティング練習にも持ってこいかもしれません。
同じ程度の値段でスペイン産の紙パック入りバルクワインを売っていますが、あんなものを飲むくらいなら、絶対にこっちを飲むべき。
スペインのワインといえば「網」が巻かれているのを良く見かけます。
なぜ、スペインワインには金色の網が巻かれているのか調べてみたのですが、詳しく書いている本やサイトが殆どありません。とりあえず分かったのは「ヘアネット」や「網タイツ」と呼ばれている事。・・・網じゃなくて網タイツかよ。
スペインワインのWikipediaは情報量は豊富なのですが、特にそういった記述もなくソムリエ協会の教本にも記述は見当たりません。そこで自分の拙い語学力を駆使してスペイン語翻訳(By:Google)で色々と思いつく単語を入力していくと
「alambre de oro(金線)」
「vino(ワイン)」
というフレーズに辿り着きました。
「その網はアランブレ・デ・オロって言います(ドヤァ)」って言ってる人も居ましたが、素材の名前じゃねーか(汗)
日本語で検索しても有効な情報は相変わらず出てこないので、スペイン語のまとめサイト的な場所をいくつか読んでみて得た情報をまとめてみました。
◆品質と網の直接的関係性は無い
それらのフレーズでスペイン語圏のサイトを幾つか見ていると、この様な記事を見つけました。
この記事の中でスペインワインの専門家に話を聞くと「品質と網の直接的な関係性は無い」という事だそうです。
1920年代にマドリードにリッツやパレスといった高級ホテルが登場しリオハの生産者もワインをそこで売ろうとしたけれど、順調に売れたから瓶の中身に別の安ワインを詰めて売る者も出てきた為、シーリングワックス(蝋封)と共に普及した、みたいな事が書かれています。
◆金色の糸自体は普段から存在していた
https://es.wikipedia.org/wiki/Bordado_de_oro
スペイン語のWikipediaで調べてみました。金色の針金(金線)も、スペインの刺繍などから見られる点から考えると身近に存在していた事は分かりましたがワインの盗難防止に使った、みたいな記述はありませんでした。しかし、普段から身近に存在していた事を考えると偽造防止を考えるときに身近に存在してた金線を手に取った、という事は十分に考えられる行動だと想像します。ちなみに、最初に網をかけたのはマルケス・デ・リスカルのワインだという事をネット上で見かけたので公式サイトhttp://www.sensacionesvivas.com/を見たのですが、何かFlashだらけで見る気失せました。なんとなく催眠術にかけられるような不安を覚える(笑)サイトです。一応、クリック注意。
◆中身の入れ替えだけではなく、ラベルの張替え防止にも役立つ
また、一部のスペインワインには偽造防止の為に使われていた網の名残りで残している、と表記されているものもあるそうです。網の上の部分は外す事が容易ですが、ラベル自体を張り替える事は容易ではありません。まぁ、逆に考えると金線ぐらい全部外して中身をすりかえてからもう一度網を巻き直せば良いんじゃないかとも思ってしまいますが・・・。
・・・などの事から自分的に結論を出すと
「昔は偽造防止として使ってたけど、今は特に意味がない。」
というのが答えだと思います。
まぁ、ちょっとした装飾として考えると、高級感も漂う?かもしれませんし・・・。
あ、ちなみに。
ワインを抜栓する時は、網を少し引っ張ってコルク上部を広くした状態で抜栓すると良いと思います。もちろん面倒なら事前に網を外してからでも良いと思いますが、もしソムリエの立場であればゲストから「この網は何ですか?」と聞かれた時の話のネタ用としても、利用できます。まあ、網はあった方がカッコ良く見えるかもしれませんね。
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