チャーミングでセンチメンタルな...一味違う"ツヴァイゲルト" 「登醸造 セツナウタ」
 
セツナウタ 2017
余市 登醸造
 
3月となると、色々とリリースされるワインも多くて紹介したいのは山々なのですが・・・年度末で忙しい・・・毎日の様に残業残業・・・という事で、久しぶりにパソコンの前に座りました。気づけば午前2時過ぎてんじゃねーか。
 
今回は、2018年がリリースされたばかりの登醸造「セツナウタ」の、あえて2017年を開けてみました。
 
 

 

登醸造をよくご存じの方であれば、あるいはHPを見たことある方であれば見た事がある猫が描かれています。このデザイン、結構好きです。ちなみに2017年は収穫前?に台風が北海道まで接近した年でしたが被害は大きくなかったけれど、10月下旬に天候に恵まれずに11月まで収穫がずれ込んだとの事でした。

 

 

セラーで1年寝かせた状態ですが、外観からはフレッシュ感が漂う美しいピンク色に染まっていました。

ロゼワインの作り方は色々とありますが、セツナウタに関しては収穫後にすぐ搾汁したものが8割、残り2割はその年によるみたいですが、全房(2018は除梗破砕したもの)を2週間程の発酵後に搾汁したものと、炭酸ガス内発酵(MC法=マセラシオンカルボニック:ボジョレーヌーボーに用いる作り方)したものをブレンドしています。

 

特にMC法を用いた事によって特徴的なイチゴキャンディーの様なフレーバーが生まれ、サクランボやラズベリーの印象とカルダモン、シナモンの様な甘いスパイスの雰囲気も感じます。酸味は穏やかですがフレッシュさを持っていて、活き活きした味わいでした。少し空気に触れさせてからだと、より香りが立って美味しく頂けました・・・。

 

 

コルクはディアム5。あ、ちなみに、ディアムコルクは数字が想定可能熟成年数とされています。という事で、もう1~2年置いて飲んでみても楽しかったかも。あ、そういえばディアムコルクに関して紹介した事無かったなー。今度ブログのネタにしよう。

あと、ワインに少しだけガスも含まれていました。補糖も補酸も無ければノンフィルターで野生酵母という、もはや定番になりつつある自然派な作りは、ブルース・ガットラブ氏の教えらしいですね。

 

ツヴァイゲルトレーベというブドウは、オーストリア生まれの寒冷地品種として多く育てられている品種で日本では主に8割程が北海道を中心に育てられています。北海道以外にも岩手のエーデルワインなんかでツヴァイゲルトのワインがラインナップされていますが、有名所といえばココ・ファーム・ワイナリーの「こことある ツヴァイゲルト」ですね。このワインには、まさしく登醸造のツヴァイゲルトが使われています(あとは中川農園だったかな?)

 

ツヴァイゲルト自体は良いブドウなのですが、他の欧州品種と比べると、やや見劣りする部分や無駄に渋さが際立って野暮ったい印象も持たれがちで、北海道ではピノ・ノワールが主力となりつつあります。しかし、作り方1つでその魅力は十二分に発揮されるブドウです。逆に言えば作り手のセンスが分かりやすいブドウなのかもしれません。そうやって考えると小西さんの人柄が為せる魅力がこのワインに凝縮されていると言っても過言ではありません。

 

 

 

 

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