ミソ【味噌】|自作でもそれなりに美味しくなる「手前味噌」

ミソ(味噌)とは、大豆、麹、塩を原料として発酵・熟成させた発酵食品です。

原料とする麹の種類(米、麦、豆など)や地域(土地や気候)により、色や風味が異なります。
また、これらを併せて作った味噌を「調合味噌」と呼びます。

一般的に関東圏では赤色系(赤味噌)、関西圏では白色系(白味噌)が多く用いられます。

ミソは、味噌汁、うどん、煮込み料理などの日本料理には欠かせない調味料です。

「徒然草(「吉田兼好」が書いたとされる)」に、台所に残っていた味噌を肴に酒を飲み交わした北条家の人々の話が出てきます。

室町時代になると、味噌は兵糧としても活用されました。

江戸時代には、各地の風土や気候に合わせ、材料の比率や熟成方法に凝った味噌作りの多様化が進みました。

当時書かれた「本朝食鑑(「人見必大」著)」は日本の食べ物全般について、その性質、効能、風味、食べ方等を詳しく説明した本ですが、その中に「味噌は万能」であると記述されているほか、味噌には「医者殺し」と言われる程の健康増進効果があると庶民の間では評判だったとか。

かつて、味噌はそれぞれの家庭で作られていました。

というのも、味噌作りは比較的簡単で、作ってみればそれなりに美味しい物が出来上がるからです。

家庭ごとに違う味の味噌が出来上がりますので、「工夫を凝らして作ったウチの味噌が一番!」と自慢する人も多かったのでしょう。

その体験談を踏まえ、自作の物や自分の腕前を吹聴し、自慢する「手前味噌」なる言葉も生まれました。

その他、味噌についてはこのような比喩表現も多々あります。

  • 「医者に金払うより、味噌屋に払え」→良質な栄養源である味噌を称えた表現。
  • 「味噌と医者は古い方が良い」→時間を経るほど熟成されて良くなる、という喩え。
  • 「女房と味噌は古いほど良い」→時間を経るほど味わい深い、という喩え。

 

食材データ

種類:発酵食品
旬の季節:通年

主な効能

重要な栄養源
美肌効果
ガン予防(「味噌の熟成度が高いほどガン抑制に効く」という動物実験による研究結果から)

 

栄養成分

味噌

味噌にはグルタミン酸を始めとする各種アミノ酸、良質なタンパク質、ビタミンB群やビタミンE、酵素、イソフラボン等が含まれています。

良質なタンパク質は、毎日の重要な栄養源になりますし、ビタミンB群やビタミンEは美肌効果、血管や肌や体細胞の老化を防ぐ効果、血流改善効果に働きかけます。

また、味噌を食べることで角層でのセラミド合成酵素が活性化するため、肌の保湿や肌理を改善する効果もあるとされます。

味噌は、日本における代表的な発酵食品の一つです。

発酵によって生じる脂肪酸エチル類がガン抑制に効く、という説があります。

味噌汁を飲む回数が多い人は胃ガンの死亡率が低くなる(1981年、ガン学会発表による)、また動物実験においては、味噌の熟成度が高いほど、肺ガン、胃ガン、大腸ガン等の抑制効果が発揮されたという研究結果もあります。

「味噌に含まれるイソフラボン自体の効果+味噌の熟成発酵効果」の相乗効果により、ガン細胞の増殖が抑制されたのではないか、と言われています。

塩分摂取量と胃ガンの発生率は比例することが確認されています。

味噌に含まれる塩分摂取により、胃ガンの発生率上昇リスクが高まるかといえば、なぜか同量の食塩を摂取するより低いそうです。

とはいえ、過剰に塩味の濃い味噌汁をがぶ飲みすることはやめておきましょう。

味噌に使用される原料である「大豆」、「米」、「麦」は5大アレルギー食品に含まれますが、これらのアレルゲンは麹菌の出す酵素により、分解・消滅することが研究結果として確認されたそうです。

熟成期間3ヶ月以上の味噌であれば、大半のアレルゲンは消滅するとか。

アレルギーを持つ方も、味噌の風味を楽しむ食生活を送れるかもしれません。

但し、担当医とよく相談することが必要です。

 

特徴

味噌

味噌を保存する際は、5~8℃の冷暗所または冷蔵庫に入れましょう。

長期保存ができる発酵食品ですが、賞味期限内に食べ切れば風味が保たれます。

出汁や調味料が添加されている味噌、減塩味噌は賞味期限を過ぎると腐敗したり、カビが生えることもありますので、賞味期限内に使い切りましょう。

最低でも2種類の味噌を常備しておくと便利です。

原料や発酵・熟成期間によって風味がそれぞれ違うため、料理によって使い分けられます。

例えば、長期間の発酵・熟成によりコクや香りが強い「赤味噌」は豚汁と相性が良く、淡泊でまろやかな甘味の「白味噌」は根菜の味噌汁と相性が良いのです。

 

種類

日本各地で作られています。

地方色が強く、その地域の材料や風味や色合いに特徴的な違いがあります。

味噌自体には「赤味噌」、「白味噌」、「合わせ味噌」の区別があり、味噌の原料により、「豆味噌」、「米味噌」、「麦味噌」等があります。

「北海道味噌(北海道)」、「秋田味噌(秋田県)」、「仙台味噌(宮城県)」、「信州味噌(長野県)」、「八丁味噌(愛知県)」、「金山寺味噌(和歌山県)」等があります。

 

レシピ

味噌汁

味噌の種類や、味噌に入れる具材により様々なバリエーションを持つレシピ。

食欲の無い時や二日酔いで、ご飯が食べられない時にも味噌汁だけは飲めることもあり、てっとり早い栄養補給となる。

シジミを入れた味噌汁は二日酔いに効くと言われる。

飯に味噌汁をかけたものを「ねこまんま」と呼ぶこともある。

しじみの味噌汁

 

味噌ラーメン

もやし、コーン、バターを載せる「味噌バタコーンラーメン」にすると、バターが溶け出し、通常の味噌ラーメンよりコクが出てまろやかな旨味が出る。

但し、醤油ラーメンや塩ラーメンと比較すると高カロリー。

みそラーメン

 

ミソ【味噌】 自作でもそれなりに美味しくなる「手前味噌」 まとめ

味噌は、大豆、麹、塩を原料として発酵・熟成させた発酵食品。原料や地域差、熟成・発酵度合により、味に違いが生じます。

味噌に含まれる良質なタンパク質は日々の重要な栄養源であり、美肌作用、ガン抑制効果もあるとされます。

自宅で比較的簡単に製造可能なため、「自分で作った味噌を自慢する=自分の腕前を吹聴し、自慢する」という喩えで「手前味噌」という表現が生まれました。

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