アクセント(訛り)で差別をすることを禁止する法律が木曜日、フランスの下院で是認。

 

出身地の南西仏訛りで話すカステックス首相

 

賛成98票、反対3票で可決した法律は、アクセントで差別する行為(glottophobie)を、人種差別、性差別、そして障害者差別と並び、告訴の対象とすることに。処罰は最高で、3年間の懲役と罰金45,000ユーロ(540万円)。

 

共和国前進(La République En Marche!)のウゼ議員から提出された法案は、圧倒的な票で可決したものの国会では活発な議論を展開。「視覚的な少数派は当局より保護されやすいものの、聴覚的な少数派は忘れ去られがちである」と解説する、南仏ペルピニャン出身のウゼ議員。

 

これに対し反対票を投じた自由と領土(Libertés et territoires)のラセル議員は、「慈悲など乞う気はない。自分が自分であることを保護してもらおうなどと思わない」と、出身地ピレネー=ザトランティック県の南西仏訛りで力説。

 

先日はフランス左翼党、不服従のフランス(Insoumise)党首のメランション議員が、国民議会にて南仏訛りで質問したジャーナリストに対し、「フランス語で質問してくれないか?」と無礼な発言をしたところが報道されて物議を醸した次第。

 

ジェール県出身のカステックス首相も、南西仏訛りで話す政治家。首相に任命されたときも、「演説はラグビーのコメントを聞いているようだ」と、訛りを指摘するお高くとまった報道が流布。これは、グビーが盛んな南西フランスゆえに、解説者の多くがこの地域出身であるという実情を絡めた野次。

 

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訛りは、自分が何者であるかを示すアイデンティティー。それをけなすということは、あってはならないこと。反対票を投じた頑固さはともかく、ラセル議員の言い分はよく理解できます。

 

「尊重せよ」とか、「興味を持って」などと、無理な要求はしません。せめて、相手の言っていることを理解しようという気持ちを、もう少し持って欲しいですね。

 

 

 

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