日曜日に行われたMGCの選手別感想、今日は男子で2位に入った服部勇馬選手について。
4月に虫垂炎の手術を受けた体調面、そしてこれまで五輪や世陸はもちろん、世界クロカンや世界ハーフなど含めて日の丸🇯🇵をつけたことがない経験面から、
服部選手に関しては私は評価を下げていて、おそらく「4強」の中では一番最初に脱落するのではないかと思っていました。
しかし、同じ時期に虫垂炎の手術をした短距離の飯塚翔太選手が世界陸上に間に合ったように、
今は医学の進歩、そしてスタッフのケアの充実度が高まっているようで、
そして昨年の福岡国際マラソンを優勝したという実績が代表経験の不足をカバーしたようで、気持ちのいいくらい私の予想を裏切ってくれました。
ずっと第2集団の中に潜んでいた中村匠吾選手と違って、服部選手は時おり集団の先頭に出ることもありましたが、
押し出されるように自然と前に出た感じがほとんどで、集団を無理に引っ張っているシーンはありませんでした。
10km過ぎには集団の先頭にいた山本憲二選手に並びかけ、軽く会話を交わすなど、終始余裕のある様子がうかがえました。
結果的には最後まで自ら仕掛ける動きは見せず、2位に上がったのも、落ちてきた大迫傑選手を拾ったという感じでありました。
思えば優勝した昨年の福岡国際の時も、35km過ぎの給水の時に前に出たら自然と後ろが離れてくれたという感じで、
逆に考えれば、この最後の最後まで自ら仕掛けないという姿勢も、五輪でメダルを獲得する、2位・3位狙いという観点からいけば正しい戦略なのかなと思うのであります。
その数少ない優勝例が昨年の福岡と、2014年の時の熊日30キロロードレースであります。
当時大学2年にして1時間28分52秒という学生新記録を打ち立て、長い距離への適性の高さを示していたわけですが、
その時のレースで2位に入ったのが当時駒大3年の中村匠吾選手だったのであります。
実は私もその時、熊日30キロと同時開催の熊本城マラソンを走っていて、それが初マラソンであったのですが、
私が10km手前を走っている頃に、対向車線を服部選手と中村選手の2人がデットヒートを繰り広げているのを目にしたのであります。
あの時の2人がその5年後に東京五輪の代表をつかんだと思うと、感慨深い思いを抱かずにはいられないのであります。
フジテレビ陸上@fujitvrikujo#MGC#服部勇馬 #トヨタ自動車(レースを終えての感想は?)『内定したことは非常に嬉しい。東京五輪を目指したのは大学生の時でその舞台に立ちたいと思ってマラソンを始めた。その舞台のスタートラインに立てるというのは非常に嬉しい』 https://t.co/xGDMBWMdl4
2019年09月16日 06:56