昨日の記事で触れた「トライアルマラソン」シリーズでありますが、
フルマラソンの距離で行われるレースとしては初開催となった昨日の札幌大会で事故が起きたようであります。
散歩をされていた80歳代の女性の背後に、後ろから走ってきた出場ランナーが追突し、
女性の方は転倒して手首を骨折するなどの重傷を負ったとのことであります。
このシリーズは車両の交通規制の必要がない運動公園や河川敷を主に利用して行われ、
昨日の札幌大会も真駒内公園と付近の河川敷を走る1周5キロの周回コースで開催されました。
ただ、「トライアルマラソン」と同様にアールビーズ社が主催する「30Kシリーズ」もこうした公園内の特設コースで、
歩行者など他の一般客に関しては特に立ち入りの規制も厳密にせずに行われていましたが、
落ち着いて考えれば今までよく歩行者とランナーがぶつかるような事故が起きていなかったものだなと思うものです。
そうした自転車並みの速さで走る人とまともにぶつかれば、歩行者も大けがをするのは当然と言えるでしょう。
この「トライアルマラソン」は、全日本マラソンランキングの対象になるということで、それが大きな特徴であったのですが、
お年寄りや小さなお子様もたくさんいるであろう公園を共用で使う限りは、そうしたガチの要素は排除して、
ランキングの対象からは外して、あくまでも練習の一環として走ってくださいというユルい雰囲気にしないと、
今後の同大会の継続は難しくなってくるのではないかと思われます。
「30K」の場合はガチのレースではないので選手も周りを見る余裕があったから、歩行者との事故も起きずに済んだのでしょう。
「トライアルマラソン」では新型コロナの感染拡大防止策を徹底している旨を大きくアピールされていますが、
その前に、基本であるコースの安全対策がおろそかになっていたと言えるのかもしれません。
今後、箱根駅伝など大規模なロードレースが無観客を前提にして開催される運びとなっていますが、
運営サイドが沿道に人が集まらないようにと歩道のほうばかりに気を取られているうちに、
車両の進入などの交通安全対策がおろそかにならないとも限りません。
特に箱根駅伝では数年前に選手と車があわや接触という出来事があったばかりです。
感染対策と安全対策の両立は意外と難しいことを考えれば、自衛隊駐屯地を使って行われる箱根予選会のように、
車も人も入らない場所でないとコロナ禍での大規模ロードレースの実施はやはり厳しいような気がいたします。