読売ジャイアンツは菅野智之投手がポスティングシステムを利用してメジャー挑戦を希望した場合、それを容認することを明らかにしました。
チームは日本一を逃しましたし、菅野投手は東京五輪での金メダル獲得も目標としていますので、
実際にメジャー挑戦に動くかは微妙なところではあるものの、
31歳という年齢、東京五輪が行われるかどうかもわからない状況を考え合わせると、
私は今オフにメジャー移籍を決断する可能性は高いと踏んでいます。
そして、菅野投手が抜けたとしても巨人は決して悲観するものではないとも思っているのです。
まず単純計算で、今季の巨人の成績は67勝45敗で貯金は「22」。
14勝2敗と貯金「12」を稼いだ菅野投手が抜けても「10」で、60勝53敗と貯金「7」の2位・阪神を上回ります。
菅野投手の14勝の穴を埋めるのは大変そうに思えますが、
仮に今シーズン、菅野投手が勝利した14試合で別の投手が先発していたとしても全敗するわけはなく、
少なくとも3分の1くらいは勝てるはずで、そこからあと2、3勝上積みすれば穴の半分は埋まります。
そもそも開幕13連勝した今季の成績は少し出来過ぎであるものと考えられますので、
来季は巨人に残ったとしてもその反動で菅野投手の個人成績が落ち込む恐れもあることでしょう。
巨人の選手からすると、特に投手の立場になって考えてみれば、
先発の枠、1軍の枠が確実に1つ空くわけですから、チャンスと思ってモチベーションが上がることは間違いありません。
今季、筒香嘉智選手が抜けた横浜DeNAは佐野恵太選手が首位打者に輝くなど覚醒して穴を埋める以上の活躍をしましたし、
巨人も入団以来なかなか芽が出なかった岡本和真選手が、同じポジションの村田修一選手が抜けた2年前のシーズンに一気に飛躍したように、
過去のどのチームを見渡しても、大物選手が抜けた後には自然とそれに匹敵するような選手が育ってくるのであります。
ここで巨人がやってはいけないのは、穴埋めを他球団からの補強に頼ることです。
かつてのような松井秀喜選手が抜けてペタジーニ選手を獲るようなマネをすれば、
せっかくやる気が出てきた若い選手たちの芽を摘むことになりかねません。
補強ポイントは野手や抑え・中継ぎ投手に絞って、菅野投手の穴はあえてそのままにしておいて、
時間をかけて自然と穴が埋まるように若手の成長を促していけば、
その穴の跡はしっかりと踏み固められて、強固な土台が出来上がることと思います。