サイコロ茶会 主題「夏の夜」に参加して

本日、zoomを利用した茶会に参加しました。

tea-party-without-tea-on-2020810

コロナウイルスの影響で、各地の夏祭りが中止となっており、夏の風物詩をこの茶会で愉しむことができればよいという意図で開催されました。

 

京都女子大学准教授・前崎信也先生、一茶庵・煎茶家・佃梓央先生、茶人・中山福太朗先生の御三方が亭主役として、「夏の夜」という主題でお話をして頂きました。

 

祭りへの参加、鰹を食べたことなどを、それを題材に描いた掛軸を見ることで、茶室においても実体験や追体験ができるということは、その人の今まで経験が呼び覚まされることです。

この構図は、zoomを用いたオンライン茶会でも当てはまると考えられます。

しかしながら、シェイクスピアの「夏の夜の夢」や忠臣蔵の一場面、歌舞伎の一条大蔵卿というような素養においては、現在人は昔の人達に比べてそれほど豊かであるとは言えないのが現状です。

そのため、一体感を持って亭主と客が共感できないのが危惧されます。

従って、亭主が茶事や茶会を計画する際、趣向に関してどの程度までならば客が容認して解釈できるかを吟味する必要があると思われます。

 

英国人からすると、日本人が茶の湯の道具を触る行為は度が過ぎているように感じるようです。

私見ですが、唐物崇拝や御茶湯御政道のように道具が権威化されており、名物を手に入れることがステータスで、現在でも千家十職の道具が重んじられていることが背景にあるのではないでしょうか。

そして、桐箱に収められて長い間、伝世されてきました。

こういう状況ですから、拝見で道具を触りたくなります。

英国人だけではなく、茶の湯をそれほど嗜んでいない日本人も、薄汚れた茶碗をひっくり返して裏側の高台を見るような行為は奇異に映るようですが。

 

サイコロ茶会の実験的開催は今回で終了となり、次回から本格的な仕様での開催となるようです。

皆様も是非、参加されてはいかがでしょうか。

Follow me!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です