素人の私が歌集を読んで思ったことを、気ままに書きます。おそれ多いことやけど
「気まま」という便利な言葉に隠れます。
というフレーズで始まったのはこのシリーズの1回目でした。
2回目は
岡本幸緒 歌集 『ちいさな襟』
2020年8月1日 青磁社より 発行
この歌集には480首が納まっていてかなり無理やり10首を選び、最終5首に絞りました。
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乗り換えの駅のホームの缶コーヒー冬の硬貨をあつめて買えり
(ライカ)「冬の硬貨」がいいよね~っ。財布の中でも10円玉、つべたいねん。冷たいんじゃなくつべたいねん。
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屋根瓦に降り積もる雪 昼過ぎは市松模様に変わりていたり
(ライカ)うんうん、わかる、わかるぅ。でも市松模様って…今、ピンとくるのは緑と黒の市松模様の羽織を着ているアニメやね。
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トラックが「月の砂漠」を流しつつ灯油を売りに来る街、東京
(ライカ)へぇ~?東京では「月の砂漠」なんですね。ここ大阪の枚方市辺りでは雪やこんこ あられやこんこ…っていう曲が流れてきます。大体、ダミ声のおじちゃんが灯油の値段をマイクで言ってはります。ほう、高いんやなあって思ったり。
大分前のことですが、不用品の引き取り業者の人がマイクで、「不要になりましたミニ~バイクや…」って言ってるのが頭から離れなかったわ。
ミニ~ちゃん 、バイクに乗るんや 免許とったんかいっってひとりでツッコんでましたけど。
おっと、月の砂漠から免許の話になってしまったぁ
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引き算が苦手でありき借りるという言葉にいつもこだわりすぎて
(ライカ)そういえば、最初に引き算を習う時、先生に「足りなかったら、となりから10借りてきて…」って言われた気がする。私はこだわらなかったけど、岡本幸緒さんはとっても真面目な人なんやね。
「借りた10をいつ返そうか。どうやってかえそうか?働いて?… 利息は?…」スミマセン。
言葉にこだわることは、ありますよね。
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万人に知られてもよい願いごと四角い絵馬に書かれていたり
(ライカ)同感です。小学生くらいの子の字で、住所氏名を書いてる絵馬がありました。個人情報の宝庫かも。でも名前書かなければ楽しいね。好きな願い事を、誰に知られてもいいことを書けるスペースっていいですね。七夕は期間が短いけど、絵馬は1年くらいはつるしたままなのかな?
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(ライカ))さいごに、この歌集のタイトルはこの歌でしょう。
モノクロの洋画の中のタイピストちいさな襟のブラウスを着る
(ライカ)きゃーっ。素敵
私の妄想始まります。オードリー・ヘップバーンに小さな襟のブラウスを着てもらいましょう。
襟は上品なレースでできています…
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著者はあとがきにこう書いています。
「2020年はいままでの考え方や生き方を見直さなければいけない年になるかもしれません。
そうだとしても、たぶん私はこれからも日常のちいさな心の揺れを詠い続けていくのだと思います。」
ということで、ほんとに身の回りのうっかり見逃してしまいそうなことを、きちんと詠んではるなあと思います。
毎日の生活って、こんなにもささいなことでできていて、
岡本幸緒さんのようにささいなことで感動していけたら、毎日がドラマのように生き生きとするんやろうね。
この歌集は天満橋のN短歌教室の先生にお借りしました。
本日もお越しいただきありがとうございました