【中学受験】過去問を解く時。秋は点数なんて気にしなくてもいい。

 

過去問演習が少しずつ始まる時期です。

 
Wisardでは、算数でも自宅で取り組んだ過去問はできるだけ提出するように指導しています。
もちろん、ルールに従って解き直しをした上で。
 
算数は科目の性質上、添削が少ない科目です。
生徒が解いた過去問を先生が毎回チェックする必要はそれほどありません。
ですが、確実にプラスの効果があるという手応えがあるので、昔からずっと続けています。
 
・ペースメーカーになること。
・生徒の現時点でのコンディションが把握しやすいこと。
・生徒の単元による得失点、成功と失敗のパターンをつかむこと。
 
が主な目的ということになります。
今年も8月になり、少しずつ始まってきました。
(基本的には9月以降でOKです。今はまだ、ちょっと始まった程度の時期です)
 
ご自宅で演習が始まると、現時点での得点についてのお問い合わせを必ずいただくので、記事にしておこうと思います。
 
 

得点は気にしても仕方がない。少なくとも11月までは。

 
まず、大事なことだけ。
 
12月に入るくらいまで、算数については得点を気にする必要はありません。
重要なのは「自力で解けるはずの問題での得点率」だけで、これは本人にしかわからないことです。
ですから、周囲があれこれ言っても意味がありません。
入試本番での合格者の平均点や合格基準点との比較も、今後の数ヶ月での学力の上昇を考えるとやはり意味がありません。

 

立教新座に進学した少年の思い出

 
このことが話題に上った時にいつも思い出すのは、6年前に送り出した生徒のことです。
立教新座に進学した生徒なのですが、算数が大の苦手の生徒でした。
6年生中盤になって、どうにか基礎単元の理解が追いついてきたものの、得点力としては依然として厳しい状況でした。
 
そんな彼が、9月に初めて自宅で立教新座の過去問に挑んだ時のこと。
(立教新座の算数はハイボリュームで、骨太な出題をする中学校です。
11月まで解かないように伝えていたのに、彼はこらえきれずに解いてみた、という展開でした)
 
得点は4点でした。
 
4点。
 
です。
 
タイプミスではありません。
 
100点満点中、4点です。
 
それを
 
「先生、4点しか取れませんでしたぁ〜〜」
 
と教室に来るなり、ヘニャヘニャした様子で報告してきて、多難な前途に力が抜けたことを覚えています。
「第一志望校」という言い方はやめて「夢の志望校」にしたらどうか、というセリフをこらえなくてはなりませんでした。
しかし彼は根性のある少年で、諦めずに頑張り抜き、補欠でしたが見事に合格して進学していきました。
彼はおそらく、一度たりとも「もう無理だ」と諦めることはなかったタイプの生徒でした。
 
その日も
 
「先生、次はきっと上がるよね?」
 
などと泣かせるセリフをナチュラルに口にし、
 
「コホン。
まあ、さらに下がるとなると‥それは大変な点数になる。
きっと上がるだろう。
2倍‥‥、いや!!5倍になる可能性だってあるぞ!!」
 
という気持ちのこもらない返事にも、
 
「そうですよね!!」
 
という感じで、とても前向きでした。
何よりその気持ちが大切で、合格への道をしっかり歩むための戦術は後からくるものです。
まして、外野が「そんなんじゃ受からない!!」と騒いでも、いいことは何もないと思っています。
 
 

今年度のある生徒の場合

 
そしてようやく本題です。
今年の夏期講習で、6年生のノートを預かった時のこと。
昨年度、難易度が急上昇した女子校を解いた答案をチェックしていました。
すると、とんでもない点数が目に入ってきました。
 
12点
 
‥‥‥。
これを堂々と提出してくるとは正直者で、なおかつ度胸があります。
その子の実力を考えれば12点なわけがないのですが、
 
「とにかくできなかったんです。難しかったです」
 
と平然としたもの。
 
スタートはそんな点数でもいいんです。
でもいつまでもそれでは、もちろんダメです。
もっと頑張らないとマズい、という気持ちになったはず。
気合を入れるにはいい機会でしょう。
ここからの快進撃を期待したいと思います。
 
 
過去問については、以前にこんな記事も書きました。
かなり断片的な内容ですが、よろしければご覧ください。
 
なぜ中学受験生は、過去問を解かなければならないのか(前編)
 
なぜ中学受験生は、過去問を解かなければならないのか(後編)
 
 
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