【中学受験】過去問演習→算数は答えを出してからが勝負だ。

 
6年生はそろそろ過去問に取り組み始める生徒も出てきました。
 
過去問といっても、第一志望校の過去問演習は最も早くて8月後半から。
まだ慣らしの段階です。
自宅/教室で時間を測って集中して演習し、マルバツのついた答案から自分に必要なことを学びとることの練習が始まる、ということになります。
ですから、まだ始めていない生徒も、全く焦ることはありません。
必要な解法をしっかりと学び、準備ができてから手をつければよいのです。
 
 
過去問の取り組み方については、過去に何本か記事を書いています。
 
【中学受験】算数 過去問の取り組み方(6年生向け記事)
 
【中学受験】過去問を解く時。秋は点数なんて気にしなくてもいい。
 
【中学受験】なぜ中学受験生は、過去問を解かなければならないのか(前編)
 
【中学受験】なぜ中学受験生は、過去問を解かなければならないのか(後編)
 
 
それと、1つ注意点があります。
保護者の側からすると、大人はどうしても大学受験の経験で見てしまいます。
つまり、
 
入試問題の傾向をつかみ、それを学習にフィードバックすること
 
だったり、
 
現時点での力をつかみ、合格に向けて十分な点・不十分な点を確認すること
 
だったり、そういったハイレベルなことをお子さんにさせようとしてしまうことが少なくありません。
 
 
しかし、ちょっと待って下さい。
中学受験生は、まずそれ以前の大前提を学ばなければなりません。
最も大切なのは、
 
当たり前の問題を当たり前に解く。
それがそのまま合格につながる。

 
ことを身体に叩き込むことです。
 
本来、算数の学習においては、自分の答えが正しいのか正しくないのかを徹底的にチェックしなくてはなりません。
ただ、受験に必要な内容を急ピッチで履修する中で、その習慣が不十分な状態でこの時期を迎えてしまう生徒も少なくないのです。
ですから、ひと通りの内容を学んだあとは、できる問題を絶対に落とさないことに集中しましょう。
実際のところ、自分の答えを確かめながら進むスキルこそが、算数の学力そのものなのです。

 
それを理解することがまず大切です。
それがわかっていれば、入試問題の中で明らかに難問と思える問題の解き直しや質問に大きなエネルギーをさくことが、本来の目的とはズレてくることが自然に分かるはずです。
 
 
例をあげます。
 
6年生担当の阿部としては、これから生徒が解いた過去問をチェックする機会が非常に多くなります。
WIsardに過去問を提出するときは、ミスった問題は原因がわかる場合はそれを明記することになっているのですが…………。
今年の1回目に提出されたノートにこんな記載がありました。
 
 

栄東A日程 大問1(5)
 
問題:0.3666……………を分数に直しなさい。
 
誤答:357/990
 
解き直し:3/10+1/15=11/30
 
間違った理由:「3/10+6/90を3/10+6/99にしてしまった」

 
これです。
これの何が問題なのでしょうか?
間違った答えを出してしまったことではありません。
それは仕方のないことなのです。
しかし、問題はそこからです。
 
自分の答えである、
 
357/990を小数に直すと、0.36060606……となります。
 
この生徒は、出てきた答えが本当に正解なのかどうか、まず分子を分母で割り、正解であることを確かめてから先に進むべきだったのです。
つまり、正しい答えに修正するチャンスがあったにも関わらず、それを活かせなかったわけです。
もしチェックをかけていれば、確実に間違っていることが分かり、ミスっている箇所を探すアクションをとることができ、正解に到達できた可能性が高いです。

 
 
この、正しい答えはまだわからないけれども、
 
間違っていることだけは確実
 
という場面は算数の問題を解いていると数多くあり、その局面をどう打開するかがとても大切なんです。
 
「一応(答えらしきものは)出てきました」
「とりあえず答えは書きました」
 
ではまったく価値がないのです。
 
それをつかんだ上で、志望校の問題に慣れ、合格を手繰りよせてほしいと思っています。
さあ、頑張っていきましょう。
 
 
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