Fantasy Football(ファンタジーフットボール)戦記

NFLのFantasy Football(ファンタジーフットボール)のほかMLBやNBAについて語ります

なぜNBAのLakersとNFLのVikingsのチームカラーはPurple and Gold? Princeとの関係は

2020年11月03日 15時28分18秒 | NBA
先日NBA Finalを制したLos Angeles Lakes(LAL)について書きました。このチームは長年、チームカラーに紫と金色を使っています。いわゆるPurple and Goldですね。筆者がNBAをテレビで観戦するようになってからずっとですが、なんでこの色使いなのか気になっていました。
 
そしてもう一つ、NFLにもPurple and Goldをチームカラーにしているチームがいます。それがMinnesota Vikings(MIN)。先日の試合(2020年シーズンのWeek08)でGBを破ったMINの話はあまりしたくないのですが、まあ今回は仕方なく取り上げます。
 
実は先入観として、この2チームがMinneapolisに関係しているので(LALは創設時はMinneapolisが本拠で、Minneapolis Lakersと名乗っていました。湖の人を意味するLakerは移転後もそのまま残っていますね)、Purple and Goldの由来がMinneapolisの町の色なのではないかと思っていました。
 
さらに紫はMinneapolis出身で2016年に亡くなったミュージシャンのPrinceも愛していた色。Princeは2007年のSuper Bowl XLIで、紫のギターを弾きながら「Purple Rain」を雨のドルフィンスタジアムで熱唱しましたね。

Prince - Super Bowl XLI 🏈 | Halftime Show 2007 FULL SHOW HD

ということで、このMinneapolisと紫の謎を解くことにしました。
 
まずLALの紫ですが、これはLos Angeles移転後に変更されたもののようです。Minneapolis Lakersで画像を検索すると現れるのは水色と金色のユニフォームばかり。Wikipediaの「Logos and uniforms of the Los Angeles Lakers」にも「As the Minneapolis Lakers, their road uniform is powder blue with gold trim.」とあるので、Minneapolis在籍時は、金色は使っていたものの紫とは関係なかったようです。
 
ではいつ紫を採用したかというと、1967年に既にLos Angelesに移転した後に、Jack Kent CookeがLALを買収しThe Forumに本拠地を移したときからのようです。「Forum Blue」というサイトによると、Cookeが紫を好んでいた(けれども、当初は「Forum Blue」と呼んだ。そして1980-81年シーズンから「Royal Purple」と呼ばれるようになった)という記述があります。こちらは長いのでソースをご覧ください。
 
つまりLALの紫は、かつてのオーナーが好んだ色だったということになります。
 
では一方のMINはどうでしょう。これは2020年シーズン前にNFLと米国最大の塗料メーカーのSherwin-Williams(シャーウィン・ウィリアムズ)がコラボして作成した動画(「How each xxx xxx team got their colors」、xxxのところには「NFC East」のようにカンファレンス名と地区名が入る)に書いてありました。
 
先にこの動画の話をすると、NFLの8地区32チームのチームカラーの由来と、Sherwin-Williamsのカラーコードをひも付けて紹介するものです。筆者のひいきチームのGBは、創設当初はCurly Lambeauが卒業したNotre Dame大のチームカラーであるBlue and GoldのJersey(スローバックジャージーでたまに見かけますね)を着ていたと書いてありました。これ以外にもこの動画にはうんちくが満載です。各地区ごとの動画リンクを張りましたので、詳しくはこちらをご覧ください。

AFC東

AFC北

AFC南

AFC西

NFC東

NFC北

NFC南

NFC西

MINの紫と金色については「How each NFC North team got their colors」の動画の中に書いてあります。
 
紫はMINの初代GMだったBert RoseがWashington大の出身だったところからでした。Washington大のフットボールチーム「Washington Huskies football 」は現在もPurple and GoldのJerseyを着用しています。
 
Wikipediaの「University of Washington」には「The school colors of purple and gold were adopted in 1892 by student vote. 」と書いてあります。それほど歴史のあるカラーリングということになります。
 
つまりMINの紫はWashington大の由来で、ここからMINに持ち込まれたものだったことになります。Fanaticsのオフィシャルブログによると、MINは1961年の創設当初から紫のJerseyを着用していたようで、「The team’s inaugural jersey is purple and features white and gold stripes on the sleeves. 」と書いてあります。
 
MINの金色については、Minneapolisに1860年代に移民してきた北欧系の人々(なにせMINのチーム名はVikingsというくらいですから)を象徴していていると、動画の中で語られています。この金色はチームのロゴになっている「Norseman」にも使われています。
 
ということで、NBAのLALとNFLのMINはどちらもMinneapolisの創設だけど、全く違う理由でPurple and GoldのJerseyを着ているということになりました。
 
最後にPrinceの紫ですが、彼自身は1958年の生まれですから、(どれだけ影響したかは分かりませんが)MINが1961年に創設された当初から使っていた紫に、Minneapolisの街中で親しんでいたはずです。
 
プリンス自身が紫を使うのは、映画になった1984年の「Purple Rain」よりも前からで、1981年発売の「Controversy(戦慄の貴公子)」のジャケットで自身の名前を紫に塗っています(その前の3枚のジャケットには紫は確認できませんでした)。その次の「1999」(紛らわしいけど1982年発売)はジャケットが紫の地ですから、もうすっかり染まっていますね。
 
そしてrockinon.com(ロッキング・オン ドットコム)から引用した、Princeの遺族であるお姉さんの証言によると、
「(プリンスは)虹が持つ色々な色を気に入っていましたが、中でも特に紫が好きでした。それは、紫が品位を表す色だからです。紫色は彼を『プリンスな』気持ちにさせていたんです」
とあります。残念ながら、PrinceがMINのファンだったから紫とは書いてありませんでした。
 
さらにこの記事では、(上の動画を作ってくれたSherwin-Williamsには申し訳ないのですが)色見本帳を印刷するPANTONE(パントン)が、プリンスのシンボルカラーを「Love Symbol #2」というパントンカラーとして登録したことも紹介しています。
 
その色合いは、PrinceがTwitterで公開したヤマハのピアノから着想を得たのだそうです。このツイートを貼っておきますのでご覧ください(投稿日は2016年4月13日。Princeが亡くなったのはそれから10日も経っていない、4月21日でした)。

NBAとNFLから始まったMinneapolisと紫を巡る話はここまでにしましょう。皆さんがひいきチームの色の由来を考えるきっかけになれたのであれば光栄です。

2015年シーズンからアメリカンフットボールのFANTASY FOOTBALL を楽しんでいるトーマスといいます。NFLだけでなく、MLBやNBAについても語ります。

AFC東 BUF バッファロー・ビルズ NFC東 DAL ダラス・カウボーイズ
MIA マイアミ・ドルフィンズ NYG ニューヨーク・ジャイアンツ
NE ニューイングランド・ペイトリオッツ PHI フィラデルフィア・イーグルス
NYJ ニューヨーク・ジェッツ WAS ワシントン・フットボール・チーム
AFC北 BAL ボルティモア・レイブンズ NFC北 CHI シカゴ・ベアーズ
CIN シンシナティ・ベンガルズ DET デトロイト・ライオンズ
CLE クリーブランド・ブラウンズ GB グリーンベイ・パッカーズ
PIT ピッツバーグ・スティーラーズ MIN ミネソタ・バイキングス
AFC南 HOU ヒューストン・テキサンズ NFC南 ATL アトランタ・ファルコンズ
IND インディアナポリス・コルツ CAR カロライナ・パンサーズ
JAX ジャクソンビル・ジャガーズ NO ニューオリンズ・セインツ
TEN テネシー・タイタンズ TB タンパベイ・バッカニアーズ
AFC西 DEN デンバー・ブロンコス NFC西 ARI アリゾナ・カーディナルス
KC カンザスシティ・チーフス LAR ロサンゼルス・ラムズ
LAC ロサンゼルス・チャージャース SF サンフランシスコ・49ers
LV ラスベガス・レイダース SEA シアトル・シーホークス

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