ブログで公開されたCozyさんの小説に、『ナンバーワン・カフェ』があります。
ほかにも2編の小説が部屋から見つかっていますが、その小説も含めて、今、Moon Catのご主人により製本化が進んでいます。
実は、その『ナンバーワン・カフェ』のあとがきを書いてほしいと、Moon Catご夫妻からお願いされました。今週6日にお願いされ、当日のうちに以下のような寄稿文を書いてみました。
かなり即席の仕上がりですが、想いは十分に込めたつもりです。
『ナンバーワン・カフェ』を読んでいないと、意味不明のところもあるので、ぜひ小説のほうも、読んでいただければと思います。未読の方は、Cozyさんのブログの検索窓に「ナンバーワン・カフェ」と入力して、検索してみてください。
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【ナンバーワン・カフェに寄せて】
「この感覚わかるかな、Cozyさん、今、こんなふうにあなたのことを思い出している自分が、不思議でしょうがないんだ」
わたしはカウンターの右端の席にすわり、バドの缶を楽しみつつ、あの人のことを偲びながら、頭の中で語りかけた。
ここは居心地がいい。思い出に浸るには、もってこいの店だ。
「運命の流れって、信じたことありますか?Cozyさん」
わたしは、ブログを通してCozyさんに出会ったころのことを思い出していた。
「いろんな出来事の組み合わせがあって、そのうちのどれかひとつが欠けても出会うことはなかったんだから、もうこれは運命の流れとしか思えないし、あまりにも不思議すぎる。というか、もしかしたら“奇跡”という言葉を使ってもいいくらいの出来事だと思う」
そう、確かに奇跡だと十分に言える出会いだと、わたしは思っている。
何しろ、今ではストックフォトクリエイターとして仕事もしているわたしだが、5年前に偶然が積み重なるという不思議な出来事がなければ、写真の世界に戻ってくることはなかったし、ブログを始めることもなかった。
「そういえば、Cozyさん、初期のブログは料理のレシピが多かったよね」
料理作りが好きなわたしは、まずCozyさんのブログの料理記事に興味を持った。
そして、「いいね」を付けたり、コメントのやり取りをしているうちに、お互いの共通点があまりにも多いことに、お互いに気づいた。
「ふたりは“ソウル親戚”だって、そう言ってくれてたよね。それがうれしかったなぁ…」
でも、なぜ突然?
それはないよ、って、そんな言葉しか出ない別れだった。
もしかして、それもCozyさんの演出?
“Hey YO!そんな別れもなかなかカッコいいだろ!”なんて、空の上からシャウトしてる?
心にあいた穴に吹くすきま風は、まだおさまりそうにない。
「ねえ、ワンさん、今の俺の気分わかる?この哀しみを癒してくれるレコードをかけてよ」
すると、ワンさんは、スローモーションのような、ゆっくりした動作で1枚のレコードを選んでくれた。
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