今日は、浅草三社祭の日。
しかし、例年の祭りとは、まったくかけ離れていた。
なにしろ、コロナ禍の日々。
祭りは儀式のみの進行で、神輿が練り歩くことはなかった。
まぁ、それも仕方ないのだろう。
わたしは、それでも、ひさしぶりに浅草の空気感を味わいたくて、
銀座線の浅草駅に降り立った。
ひさびさの浅草。
親近感のある街を歩きながら、わたしは、のんびりとあちこち写真を撮った。
そして、時間は、いつのまにか13時半。
そろそろ腹を満たすべき時間だった。
浅草の路地裏には、ゴマ油であげた天ぷらの匂いが、いつも充満している。
天丼もいいなぁ、と思う。
浅草で天丼といえば、大黒屋だろう。
しかし、大黒屋には30数人の行列があった。
この店には、今度奥さんといっしょに平日に行くことにしよう。
それにしても、浅草の飲食店の価格は、なんだか高め。
そんな感じのオムライスで1200円なの?という店もあった。
観光地価格でも、やっていけるのだろうか。
でも、良心的な老舗だってあるはずと信じて、しばらく浅草界隈を徘徊してみた。
神谷バーの前を通り過ぎて、すぐ左に曲がる。
ひとつ目の路地をさらに左に曲がってみると、見つけたぞ、見つけたぞと、小躍りした。
そこには、レトロ感たっぷりのレストランがあった。
ランチの値段も納得。
店内をのぞくと、これまたいい雰囲気で、さらに客も少ない。
もはや、この店に入ることしか頭にはなかった。
昭和の薫りただよう店内。
実に落ち着ける。
まずは、瓶ビールで一息つく。
ランチメニューの「手ごねハンバーグとメンチカツ」を注文した。
見るからにおいしそうなランチ。
さっそく、手ごねハンバーグを一口食べてみる。
ありきたりの表現だが、昔ながらの洋食店のおいしいハンバーグそのもの。
「おいらは牛肉様だぞ」と、手ごねハンバーグが、わたしの口の中で大威張り。
それは、メンチカツも同じだった。
洋食店のメンチだ、つなぎは少なめの牛肉中心のメンチだ。
時間をかけて作られたデミグラスを、これでもかと、まぶして食べると至福の時間が訪れる。
みそ汁は、わかめとネギ。
あっさりした味わいで、それが逆に濃厚なハンバーグやメンチに逆らわないので、口の中を穏やかにまとめてくれる。
もちろん、ハンバーグもメンチもサラダもごはんみそ汁も、わたしはすべて完食した。
皿を洗ったように。
そういえば、食事のときに使うのは、ナイフとフォークではなく割りばし。
それが、またいい。
また、何度も行ってみたくなる店が見つかった。
わたしの直感は、間違っていなかったと、意気揚々と再び浅草の街へわたしは歩き出した。
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