バイデン大統領就任式ー心配されたテロもなかったがトランプの刑事訴追の可能性は?
先日トランプの支持者によるアメリカ議会乱入という目を疑う事件が起きて2週間あまり、この事件によってトランプが史上最悪の大統領として記憶されるのは確実になった。しかもまだ今の時点でトランプの主張する「不正選挙」というデマ、嘘を信じ込んでいる人間が、アメリカだけでなく日本にも少なくない状況であり、バイデンの就任式にトランプ支持者がまたテロを起すのでは、という噂もあった。
しかしまあ幸いにして、大きな混乱もテロの情報もなく無事バイデン新大統領の就任式は執り行われた。
大統領の宣誓式も無事行われた。アメリカ合衆国の憲法上ではこの宣誓が終了した時点で正式に大統領になる。
就任式ではコロナやトランプ支持者の不穏の動きがあったにも関わらず大物アーチストが就任式に参加した。国家斉唱したのはレデイ―ガガ、他ケイテイ―ペリーを始めジャスティン・ティンバーレイク、デミ・ロヴァート、ブルース・スプリングスティーンのパフォーマンスがコロナ状況下のために全米各地から送信された。尚、一部のネットでアーチストのパフォーマンスの全てが録画とか、下手すれば就任式そのものが録画だ、などという情報が拡散されているが、アーチストのパフォーマンスは一部録画はあるものの、就任式そのものが録画などありえない。これも例によってトランプ支持者辺りを発生源とするデマが拡散された可能性がある。
尚、嘘やデマを頑なに信じ込むトランプ支持者(日本にもなぜか多い)を始めとする人たちの真実を受け入れない、自分たちの好きな情報のみ信じ込むメカニズムについて書いた文献をみつけたので改めて別記事にて書こうと思う。
難問山積で試練が待ち受けるバイデン政権
正式にアメリカ第47代大統領になったジョーバイデンだが、就任してからひいき目にみても多くの試練が待ち受けているのは火を見るより明らかである。
(1) コロナウイルス問題
これは就任前から新大統領は政権の最優先課題として揚げている。日本も現状大規模な感染拡大に見回れているが、アメリカもかなり深刻な状況。ワクチン接種は既に始まっているが感染拡大が収束している兆しは現段階では見られない。
これはアメリカに限った話ではないが全世界的に深刻な事態である。まず手始めにアメリカのWHO復帰(パリ協定)を始めとする15の大統領令に署名した。
(2) 深刻なアメリカの分断
詳細は別記事で書こうと思うが、インターネットによる情報と人間が情報を受け入れるメカニズムは人間を両極端な方向に誘導しやすい、ということがわかってきている。そして一度社会が分断をしてしまうとその分断を解消するのは至難の業である。
特にトランプ政権下で明らかになったのはアメリカ人の差別意識はまだまだ根強くあり、しかもトランプ政権で白人至上主義者(ホワイトスプリマシー)の発言力が高くなっている点である。そして今回のバイデン政権の副大統領のカマラ・ハリスというアフリカ系とインド系でしかも女性の大統領というのは白人至上主義者には到底受け入れられない人事だろう。ネオナチ、KKKを始めとする白人至上主義者たちの暴走が懸念される。
特に私も見ていて感動したが、弱冠22歳の詩人のアマンダ・ゴーマン氏の素晴らしいメッセージが入っていた詩をトランプ支持者の心に果たして届くだろうか。
届いてほしいが多分無理だろうな。
英語だが改めてこの詩をきいてほしい。本当に素晴らしい詩だ。
ムリな願かもしれないが白人至上主義者、右翼系その他トランプ支持者の心に少しでも届いてくれれば、と考える次第
(3) トランプの大統領退任後の動向
ドナルドトランプは史上唯一、2度弾劾された大統領である。二度目の弾劾裁判はまだ行われていないが、大統領退任後にそれをやっても意味がない、という人もいるがそうではない。もし上院で万が一可決されればドナルドトランプは二度と大統領に立候補できない。議会等にも出れない。被選挙権が消滅してしまうのだ。民衆を煽動して「国内テロ」を起した罪は絶対に不問にすべきではない。
しかし早くもトランプとバイデンの間に「密約」があったのではないか、という噂まで出ている、民主党のとりわけ左派は決してそれを許さないだろう
それ以外にもいくつ刑事訴追になる可能性があるかわからない。普通に考えれば退任後無事で済むとは到底思えないのだ。
この記事に書いてあるような密約は存在しないと祈りたいが
いずれにせよ明らかに人格に問題のあるドナルドトランプから、トランプと比べれば人間的に遙かに「まとも(であると信じたい)」バイデン政権が正式に走り出した。
前途多難だとは思うがまずはその推移を見守りたい