〜お話の中に個展のネタバレが含まれます。〜
「靴、磨いてあるぅ〜?」
"絵を観に行く"
"個展に行く"とは、そうなのかもしれない。
そういう場、そういう事なのかもしれない。
ユニクロの激安ジャケットを羽織り、
ちょっとカジュアルな靴を履き、
秋らしくない薄手の白パンツ・・・。
すっかり石田純一と化した旦那が言った。
「よし!行こうか、おおちゃんの個展!!」
「う、うん、行こう・・・。」
なぜか旦那の同行者としてエントリーした名義が当選した。
職場の運動会直前。
絶対にコロナにかかってはいけない状況の中で、六本木ヒルズまで車での往復は、とても有り難かった。
(*˘︶˘*)
「ここだ!ちょっと見に行きたい!」
そんな可愛い妻(←わたし。(笑))のリクエストにも、うちの石田純一は快く応えてくれた。
「隣にいるの恥ずかしいから、奥で本見てくるね。」
さすが「不倫は文化」、
惚れた男の記念の風景を必死に撮影する妻を気遣い、1人にしてくれた。(違)
うぉ〜〜〜!!
既に満足した私に石田純一もどきがひとこと、
「腹減ったなぁ!!」
緊張してお腹なんて減りませんの。
だって、、、今から大野さんの作品達に会えるのだよ。
ある意味、大野さん本人に会えるよりすごい事だと思っているのに、
その前に顔見知りのオッサンと腹ごしらえだなんて・・・(旦那です、、、)
「入る前にトイレだけ行っとこ。」
「こういうの初めてだから緊張すんなぁ。」
旦那はとても楽しみにしていた。
気合充分で入場した旦那は
目をキラキラさせて嬉しそうにスマホを向けていた。
「俺よりハゲてるっ!」
・・・やめて。
何を思うのもFREESTYLEだけれど、作品の頭と自分の頭を比較するのはやめて。
それから彼は
「こっちにあるの、すごいよ!」
「ちょっと来て!不思議な置物がある!」
「デカイ絵がそこにあるよ!」
とウザいほど興奮し、小声でコソコソと話しかけてきた。
みっちゃんの絵の前では
「うちにある時計と一緒じゃん!」
と喜び、
「これは階段のとこに飾ってある絵だよね!」
「これはキッチンにあるよね!」
「これ、テレビのとこに飾ってあるやつじゃない?」
と囁き、見た事がある絵の「ホンモノ」を前のめりでジ〜っと見つめていた。
そのうち、作品の前のファンの集まり具合で"旧作"と"新作"を見分けるようになり、
大切な作品達の中でも新作がファンの子にとって特別な存在なんだと気付き始めたようだった。
大きな大きな細密画。
テレビや作品集で見るよりも鮮やかで、細かい絵の隙間に色々な文字が書かれてた。
少し胸がギュッとなる言葉や、
人生の半分以上を共に歩んできた、あの4人の名前の漢字も。
(*˘︶˘*)
「37〜8歳、俺も転職とか色々考えた頃だったなぁ・・・。
このままでいいのかなって色々思うんだよねぇ。」
振り向いたら、腕を組みながら細密画を見上げる旦那がいた。
そうだな、そんな事を言ってた時期もあったっけ。
ふぅ〜っとため息をついては、誰かの人生に憧れたり、転職サイトを覗いてた時期もあったっけ・・・。
「違う人生を歩んでみたいって思う事は、悪い事じゃないよな。
そこで一歩踏み出せる人はすごいよ。
俺には大野くんみたいな勇気はなかったけど・・・。」
ちょうどその時、
私の目線の先には温かなランタンの絵がひっそりと飾ってありました。
うん。(*˘︶˘*)
違う人生を歩んでみたいって思う事は悪い事じゃない。
その人の人生は、その人だけのものだもんね。
(*˘︶˘*).。.:*♡
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