手刻みする意味 | 鳥取県倉吉市 青亀工務店 見習い建築大工日記

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プレカットが主流の今、コストがかかる手刻みをする意味は何かと最近よく考えます。
まだまだ見習いなので知識も浅くなかなか考えがまとまりません。

昔あるところで、大工さんが手刻みで刻まれた丸太梁などの材料を実際に目にすることがありました。
見た瞬間で鑿が切れていなく、蟻などの仕口の肌がボロボロでおさまっても接地する面積が極端に少ないような刻みでした。プレカットの継手よりも強度が劣る刻みや継手の形、男木女木を受ける柱の位置が逆など、手刻みした意味があるのかな?と思いました。
刻みや継手の形で構造が歪み、柱の位置でサッシなどが将来開かなくなるなど、いろいろ問題が出てきます。

木を魅せるという点で手刻みで構造材を化粧で魅せることはプレカットよりも有利だと思います。
それ以前に壁の中に入ってしまう構造材を、強度も精度もいいプレカットよりも劣る刻みや墨付けで手刻みをした!と自慢を持って言えるはずもなく、ましてやそれでお金を払って夢である家を建てたお客さんに自信をもって手刻みしていい家ができました!と言えるでしょうか?
見ている方は手刻みで家を作っているんだ!すごい!と見ていると思います。
ですが見習いの僕のような大工でもその刻みや墨付けを見ると、これは将来えらいことになるぞと思います。
だったらプレカットの方がよかったのでは?とか
これで建てちゃうんだ、、と思うと思います。

それで家を建てたお客さんがいると思うと胸が締め付けられるようなかんじになります。

手刻みで建物を提供するなら、
手刻みを離れず、もっともっと知識や技術をつけてプレカットよりも精度、強度がある家づくりを目指し
手刻みする意味とは何か?
を突き詰めていかなければ
と改めて気を引き締めてがんばろうと思います。