リハビリ | ピリカモシリ Pirika Moshiri

ピリカモシリ Pirika Moshiri

アイヌ刺繍の作品をご紹介します。
令和元年にアイヌ伝統工芸家に認定されました。
I post my Ainu embroidery works.
I was authorized as an Ainu Tradithional Craftworker in 2019.

今の私にはリハビリが必要です。
一年間 Originにどっぷりだったので、他のことはほとんどお休みしていたようなもの。

だから素材合わせとか色合わせとか、感覚が鈍っていたのです。
アイヌ刺繍は素材の選定が大事です。
アイヌ刺繍の質の50%は素材で決まります。


まずこれ。
尊敬する大作家さんからいただいた麻のバッグ。
「あなた、何か刺繍してみると良いわ。」

そして同日、とある布屋で床に落ちていた蚊帳を拾いました。
染めに失敗したんだとか。
でもその失敗が私にとっては最高。

でもちょっと…
合わせる糸がわからなくなりました。

布の際をご覧ください。
最初バラの枝で染めたグレイの糸でかがりましたが、これだけでは完全に色が沈んでしまい、目立ちません。
馴染みすぎです。

それで急きょ生成りの糸を輪郭に沿わせました。
でも外側に入れてしまったので、形が太ってしまいました。
すでにイカラリを入れたあとの作業だったので、布の上に生成りを入れられなかったのです。

この生成りの糸も半分の太さにすれば良かったか。

そしてイカラリの糸も一本だけでは予想以上に目立たず、際に影を入れました。

予想の倍の手間がかかってしまいました。



同じ図案でオーソドックスな一枚。
地布は藍染めの木綿ですが、ところどころ茶とか金とか緑の細い絹糸が混じっています。
その上に手紡ぎの生成り。

形がガタついている理由は…
かがりのステッチの間隔や深さが一定していないためです。

赤いルイカ。
「入れたほうが良い」と気づいたのはここにイカラリを刺す直前だったので、ムリクリ入れました。
ほわほわした木綿をぎゅうぎゅう押し込みました。

これはオッケーです。
スパイスが効いています。



途中ですが。
蚊帳もういっちょう。

河野コレクションの背中をA4サイズに縮小したので、カーブがきつい。
輪郭を強調するために白い糸を細かくかがりました。
蚊帳だし。

いつもはこんなに細かくしません。

とにかく蚊帳は色を吸います。
何を入れても色が溶けてゆく。
だから遠目にはイカラリがあるのかないのかわからないほどボンヤリしてしまいます。

だったらほわほわ系にしてみるか。
てことで色をたくさん入れました。


ちょっと感覚を取り戻しつつあります。




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