中国株上昇、CSI300指数は5年ぶり高値-上海総合2%高

片鱗は見えていたがここまで一気に上昇する場面が出てくるとは思わなんだ。

米国株がコロナ第二波懸念とその割高感から徐々に上値が重くなる中、ここで一気に中国株がリスクオンに反応し始めた。
一部ではこの爆騰に材料がなく不可思議という人もいるが、全く材料ないところから発生しているかというとそれは違うし、一応その片鱗は確かに見えていたと個人的には考えている。

一つは香港の民主化運動の鎮圧成功にある。
これはリベラルや先進国の人から見ればネガティブ材料に見えるが、中国人および経済重視の地元香港民からすればポジティブ材料なのである。
過激な暴力民主化運動のせいで鉄道が通常運行できず、中国人旅行客が寄り付かず、店舗が次々と破壊され、治安が不安視されるというネガティブ材料で以前に下げていたわけだから、民主化運動が鎮圧されるならこれらネガティブ材料がなくなるということは至極当然な話である。
特に民主化運動を先導していたリーダー達が粘らずに団体から脱退したというのももはやこれ以上暴力的な運動が拡大することはないという安心感が生まれてきている。
(そういった意味では香港の民主化革命は所詮自分の命を天秤にかけることもできないファッション革命だったといえる)
以前のブログ記事でも書いた通り、確かに先進国の人達から見れば香港に資金を置いておくことに関するリスクが高まり香港から資金を引き抜く動きが出るだろうが、そこは中国人が穴埋めする形で補填されるので、今後はこのインアウトマネーフローを見ながら香港市場については考えた方がよさそうである。

<過去参考記事>

香港が中国の属国になる結末は避けられなかった


もう一つの材料はやはりトランプの口攻撃がもはや豆鉄砲化していることにあるだろう。
あれだけ香港や中国に対して経済制裁をすると乱射口攻撃をかましているが、制裁法案については緊急で経済全体に影響を与えるような法案にはならなかった。
抗議デモ弾圧に加担した人物の資産凍結や米国入国拒否、そうした資金の多い銀行に対する制裁が盛り込まれているが、じゃあ本当にそれ実施するのかどうか言われると全く不明であり、多くの中国人はそれはないだろうと見ている。

<参考ニュース>
米下院、香港めぐり中国制裁の法案を可決 国家安全法を非難

その証拠に中国株で一番信用のおける指標として注目している本土信用株買い残高はじわじわと増え続けていた。
一応上がる材料は揃っていたものの、なんでここで急騰なんだと言われると難しく、はっきりした決定打がない状態で急上昇しており、複合的な材料が揃っていった結果としか言いようがなく、そこが中国株の不思議なところである。
まあこの上げを取れた投資家というのはそもそも中国株に対して強気でささいなことには目を瞑るぐらいの胆力があった人だけだったかなあと思う。
個人的には一定程度中国株にポジションを長く保有しているということもあり、これは素直に上昇の恩恵を受けておこうと思う。

<参考サイト>
中国株日次信用取引量

ただ中国人の悪いところは相場が過熱すると一気に変なところまで買い上げて持ち上げた挙句、最後に自爆して相場が一気に崩れるということが多々あるので、あまりにも1年移動平均線から乖離した場所にまで上海総合やCSI300指数が持ち上がるなら最大級に相場に対して警戒感を高める必要性はあるだろう。
まあそれでも香港株ベースで民主化運動で下げていた分ぐらいはぜひとも取り戻してほしいと思っている。

<買い上げすぎて自爆した時の中国人投資家参考画像>
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