「この世界の(さらにいくつもの)片隅に」
監督:片淵須直 アニメーション制作:MAPPA
 池袋のHUMAXシネマズで観てきました。
 あそこで映画観るの15年か16年ぶりかもしれない。
 お話は前作とほぼ同じで、前作ではカットされた原作にあったエピソードを追加、基本のあらすじは一緒なのに、テーマ性がより強く感じられるようになっていました。
 すずさんというあの時代の「普通の人」を主役に据え、「この世界の片隅」に生きる人を描いた作品ですが、そこに前作ではカットされたとあるキャラにまつわる物語を掘り下げることにより、まさに「さらにいくつもの」人々の世界を描いていたと。
 まあこんな多分前作と今作を両方見た人ならだれでも言えるような感想しか書けませんが、観て損はしなかった良作だったことは間違いありません。
 私は原作も読んでいてほとんど粗筋知ってるのに、それでもぐっと引き込まれながら観てしまいましたから。
 前作と同じ部分でも、前に観た時は気づかなかった描写に気が付けたりもしましたし。
 ラスト近辺で義姉さんが「晴美のお古だけどちいまいかねえ」と、取り出すシーンで、「ああ、処分できずにとってあったんだ」と急に気づいて一瞬涙腺が緩んでしまった。泣きはしなかったけど。それがエンディングテロップ中にちゃんと継ぎはぎしてサイズを大きくして着られていたり。
 ……いやまあ、物のない時代なので、もったいないから「まだ使える=誰かにあげられる物」は取っておいただけという可能性ももちろんあるのですけどね、ええ。

 ともあれ、前作を観ていなくても内容を理解するのに全く問題はないので、興味のある人は是非。

 なお前作の感想はこちら。
 「この世界の片隅に」感想 

 ところで、クラウドファンディング協力者の中に「永野のりこ」という名前を見つけたのですが、あれ漫画家の永野のりこ先生ですかね?