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バトル-07 [高校生バトル-01]

「ねえ春子、微分は理解出来た?」
「ええ、始めは良く分からなかったけど、高校生数学バトルのサイトで詳しく説明していてね、うちらの先生よりうんと分かり易かったの。」
「数学バトルなんて自分に関係ないと思ってたからスルーしてたわ。」
「冬子、あれは出場する人の為というより、視聴する高校生の為のチャンネルなのよ。」
「どんな感じ?」
「今までのバトルが整理されてるのだけど、バトル中やバトル後の解説が分かり易くてね、閲覧してから練習問題を解いてみたら自分の理解度アップが実感出来たわ。
 冬子が全然理解出来てないのなら微分の下級レベルがお勧め、バトルの問題が難しくないのよ。
 でね、二十七番の永田くんは下級レベルの中では上位と言う事でバトル終了後に解説の手伝いをしてたのだけど、絶対冬子のタイプだと思うわ、彼氏と一緒に数学に取り組むみたいな感覚になれるかも。」
「そっか、でも下級レベルという事は頭が良いという訳では無いのよね。」
「はは、冬子よりは良いと思うし、後日談として、バトル切っ掛けで数学が面白くなり、学校の授業は相変わらずあまり聞いてないけど、高校生数学バトルのサイトを利用して学習を深めているのだとかで、中級や上級の問題にも取り組んでいるそうよ。」
「そっか、それが数学バトルの目標なのかな。」
「授業という学習スタイルは人によって合う合わないと言うことが有ると、解説の先生が話してみえてね、私は先生にもよると考えているのだけど。」
「そうよね、先生がお爺さんではなく若いイケメンの先生だったら私だってもう少し身が入るかも。」
「お爺さんって、まだ四十代なのよ、先生。」
「なんかダサいし、先生を選べないって不幸だわ。」
「そうね、数学バトルの解説をして下さる先生は話が分かり易くて、私達ぐらいのレベルだと教師の力量で成績に差が出来るのかもって、つい考えてしまう。
 総合A級やB級の人達は、自力で理解して行くそうで、教師がいなくても構わないと話す人がいたのだけどね。」
「やっぱ違うのね、トップレベルの人達は。」
「全然違ってたわ、私達がどれだけ頑張っても埋められない差が有る、答えを導き出すまでの早さが全然違うもの、私は解説を聞いてなるほどと思うだけだった。」
「ねえ、数学バトルって見てて面白いの?」
「面白かったわ、ゲーム感覚、スポーツ観戦みたいな面白さが有るし、自分でも問題を解いてみようとか、解説を聞いて納得したり、選手の真剣な表情にドキドキしたり。」
「春子のタイプも出てたんだ。」
「タイプというより人が真剣に取り組む姿って美しいのよ。」
「そっか、私も見てみようかな、まずは微分の下級からだったね。」
「今はコンテンツが少ないけど、今後増えて行くのよ、主催者は新たな学習スタイルとしてサイトを充実させて行き、事情が有って学校へ通えなくなっても学力を伸ばせる場にしたいそうなの。」
「あっ、なら…。」
「不登校になってからの通信教育が思う様に行ってないのでしょ、冬子の従妹は。」
「うん、調べてから紹介してみようかな、メールのやり取りは普通にしてるから。」
「学校の授業より親しみ易いし、レベルも選べるからね、今後充実して行けば先生を選べるかも。」
「へ~、でも単位とかは取れないのでしょ。」
「そこから通信教育に対する取り組みが変わって行く様に冬子が考えて上げたら?」
「そうね…。」
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