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バトル-86 [高校生バトル-09]

「三郎、雅、凄い事になってるわよ。」
「春子姉さん、どうかしたの?」
「お父さんの名前がTwitterのトレンドに表示されたの、YouTubeの閲覧回数もお父さんが話してる動画を中心に勢い良く伸びていてね。」
「えっと…、ほんとだ、有権者数が五万人程度の地方都市という事を考えたら、この注目度は…。」
「ふふ、お兄さま、見て下さった全員が有権者なら何十回も当選しちゃうんじゃない?」
「はは、だよな、まずは第一段階成功ってことだ。」
「第二段階は?」
「まずはYouTubeの動画で力いっぱいPR出来ただろ、次はお父さんの実力を証明するんだ。」
「あっ、お父さまが試験を受けると言うイベントね。」
「ああ、これだけ注目を集める事に成功したとなると、姉さん、協力して下さる議員さんにも喜んで貰えそうだね。」
「ええ、少なくとも多くの人に選挙の有り方を考えて頂く機会にはなりそう、その勢いで第三段階を成功させることが出来たら、大差で当選でしょう。」
「春子姉さま、第三段階ではどんなことをするのですか?」
「兎に角、質問に答えて行くの、コメント欄に書かれた疑問や質問が中心になるけど、批判的な意見に対する見解も含めてね。」
「お父さま、大変そうだな。」
「大丈夫よ、市政研究会のメンバーも一緒だし、麻衣姉さん友香姉さんと私の三人が交代で進行役を務めるからね。
 それを録画して毎日アップ、状況に応じて一日に複数回アップすることも考えてるのよ。」
「お父さまだけが話すのではないのね。」
「ええ、お父さんにはブレインがいるという事を皆さんに知って欲しいの。」
「えっと、ブレインって?」
「色んな意味が有るけど、リーダーを助ける頭の良い人達ってとこかな、市政は幅広い分野を見なくてはいけないから、お父さん一人では情報を整理仕切れなくなるでしょ、その手伝いをする人達が一つにまとまって援助してくれたら市政改革のスピードも上がるだろうし、大勢で考えていれば間違いにくく修正もし易くなる、でも最終判断は市長の役目なの、ブレインの間でも意見が分かれる事もあるからね。」
「えっと…、独裁者じゃないってことかしら?」
「ええ、管理職としてのお父さんも、人の意見を聞きながら最後の判断は自分でして来たの、規模は違っても同じことで…、人の意見に耳を傾けず自分の考えを押し通す人だったら部下に慕われる事はなかったと思うわ。」
「う~ん、市長選の話は聞いてたけど、市長の仕事って良く分かってないかも。」
「そうね、私達は市長の娘として色々知っておかないと行けないわ、雅、これから一緒に学んでいこうね。」
「はい、お姉さま。」
「そうそう、義兄弟姉妹からのアピール映像はこれから少しずつアップされて行くのだけど、当確が出たら雅たちのがアップされるからね、編集が終わったから後でチェックをお願い、私が見た所では問題無かったけど。」
「思い切って、人が知りたいと思う様な事は隠さず話したつもりですが、あれで良かったですか?」
「ええ、中途半端な話しだと週刊誌とかが詮索して来るかもだけど、あれだけ正直に話してあればね。
 一本十分程度、六回に分けてアップして行く中で質問が出てきたら、答えられる範囲内で雅の口から説明する動画を撮ってくれるかな。」
「勿論です。」
「当選後の更新は小学生目線として、雅と詩織が中心でも良いと思ってるのよ。
 市長のサイト、市長のチャンネルに変わるけどね。」
「はは、姉さんの頭の中では、すでに当確が出てるとか?」
「当たり前でしょ、コメントのほとんどが応援しますで、その中に『一票入れます』も多数、市外の人達からは投票出来なくて残念だと言う声もね。」
「だよな、僕は投票出来ないだけでなく選挙運動にも参加出来ないからホントに残念だよ。」
「それでも、三郎は有名人だから、お父さんの息子として存在してるだけで充分貢献してるのよ。」
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