宮崎アニメ(後) | Novel & Scenario (小説と脚本)

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「もののけ姫」 あまり感心しませんでした。あれこれ詰め込みすぎでしょう。アニメ映画は1本つくるのに年単位の時間がかかるようだから思いの丈を込めたいのかもしれないし同情するけど、圧倒されても伝わらない。

設定は都合よかったですね。きっかけのタタリ神はいいとしても動物が人語を話したり話せなくてもサンには伝わったり、シシ神の姿が昼と夜では違うとか最後ああなるとかもストーリーの都合で、そんな設定をいくつも重ねたらなんでもアリです。どんな話も作れます。

物語はそういうもの、と言えばそうですが、自分は酔えませんでした。冷めました。

でもこれは大ヒットしたんですよね。

どうもこのあたりから宮崎アニメはブランド化して「きっといいもの」みたいな空気になった気がします。

でも作品は1つ1つ別物ですから。誰がつくったものでも関係ない。これまでの作品がよかったからと言って今度もいいとは限らない。

「千と千尋の神隠し」 退屈しましたね。一緒に映画館で見た子供が「まだ終わんないの?」と退屈してました。子供が厭きるアニメってどうなんでしょう。不可解な世界を画力で2時間押し切るパワーは感じましたが、面白くはなかった。

「ハウルの動く城」 右に同じ。終わり方はずいぶん都合よかったような。

あと声ですね。老婆と娘の二役を倍賞千恵子が演じるのは無理あったと思います。どうしても一人二役じゃなきゃいけなかったのか。仮に別人が演じたとしたらそれも違和感あったでしょうけど、一人二役にしても倍賞千恵子は厳しかったと思う。どういうこだわりだったのか。

「崖の上のポニョ」 感心しませんでした。ファンタジーでも津波の話です。東日本大震災より前の映画ですが、それ以前にも津波の被害はたくさんありましたし。アニメでファンタジーならアリなのか。自分はナシですね。脳内で浮かべた時点で即却下レベルのストーリーです。感性とか感覚の「おもしろそう」で作るとこうなるんじゃないかな。

「借りぐらしのアリエッティ」 これも脚本担当だそう。全体的に嫌いじゃないけど「借り」じゃないですよね。返してないし。パクってます。うるさいようだけどツッコミどころはない方がいい。

あとは冒頭で即バレ、見つかっちゃうのもどうか。どんだけ脇アマなのと。見つからないと話が進まないにしても、もうちょっとあったんじゃないでしょうか。例えば母親が病気なり怪我なりして治すには人間の薬が必要、そのためには父親ひとりじゃ無理で娘も連れて侵入するしかない、それで仕方なく連れていく、そこでヘマして見つかっちゃう、みたいな。

「コクリコ坂から」 またまた脚本担当らしい。これは最後盛り上がりに欠けましたね。あんなに急ぐ必要はない状況でした。どうしても急がせたいなら前段階をちょっと工夫しないと。

「風立ちぬ」 わりと好きです。宮崎アニメの恋愛は一目惚れが多く、終始一貫揺るがなくてこれも同じ、嫌いになったりカケヒキしたりがない。そういうお馴染み感や病気による悲劇などベタですが、テーマなどはうるさくなく物語をただそこに置く感じ。嫌いじゃありません。

ただこれも声はどうでしょう。どういうコダワリかわからないけど。あえて違和感を持たす、という狙いにしては主人公の声は全編に渡りますし。

以上ザックリですが宮崎アニメの感想でした。いつもより毒アリですね。

勿論あくまで私見の1つ、見方が正しいとは思ってません。浅い論評かもしれません。

しかし人の好みはそれぞれ。もっと正直になりません? という意図です。

途中でも書きましたがいつの間にか宮崎アニメはブランドになっていて、意見が言いにくくなってる気がします。「好きじゃない」「つまらない」と言えばドン引くような。そういう遠慮のような忖度のような空気が充満してるのはいいわけない。

とは言えこれまでの影響や功績は多大だと思ってます。日本のアニメは勿論、漫画や映画やゲームなどの多方面に発展、飛躍の礎を築いたのは疑えません。自分もたくさん影響を受けました。シナリオや小説を書く時にカット割りを頭に浮かべますが、特にアクション場面では影響受けてるな、と思います。
 

 

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