大空を飛び回るほどの
自由を手にしたおいら。
自由を手にしたおいら。
でも、でも、それは
門限がなくて
飯だって、いつ何食ってもいい
門限がなくて
飯だって、いつ何食ってもいい
テレビも何時間見ていたって
休みの日も昼過ぎまで寝ていようと
誰にも文句を言われない。会社に時間通り
出社していれば、
それで何も問題ない…
出社していれば、
それで何も問題ない…
…ということであって
それだけで総て
満たされる
っちゅうもんでもなかった。
満たされる
っちゅうもんでもなかった。
自由とは別物な
何かやるせなさを感じていた。
何かやるせなさを感じていた。
21歳のころのおいら.髪型変…w
夏になると、学生時代の友人が
海水浴に行く道すがら
立ち寄ったり
海水浴に行く道すがら
立ち寄ったり
前日の夜から、やいのやいのと
押しかけてきて
泊まっていくこともあったが
何かしっくりこなかったのである。
押しかけてきて
泊まっていくこともあったが
何かしっくりこなかったのである。
ある日のこと、
高校時代の割と親しかった
友人が
やって来た。
高校時代の割と親しかった
友人が
やって来た。
久しぶりの再会である。
明石家さんまに
似ている風な顔立ちの奴だが
本物の明石家さんまよりは
遥かに口数は少なかった。
似ている風な顔立ちの奴だが
本物の明石家さんまよりは
遥かに口数は少なかった。
よく見ると
「あれ誰か
もう一人居るぞ」
もう一人居るぞ」
彼の後ろに女性が立っている。
どうやら彼女が出来たらしい。
おいらに見せびらかしに
来たようだ。
来たようだ。
しかも可愛い
実に、ホントに、ばっちりと
おいらの好みだ~
おいらの好みだ~
その時
心の奥底で紐がスルりと
解けたような感覚があった。
心の奥底で紐がスルりと
解けたような感覚があった。
突然やって来た彼が
おいらの満たされない気持ちの
真の原因を
見つけ出してくれたのである。
おいらの満たされない気持ちの
真の原因を
見つけ出してくれたのである。
そうだよ
彼女だよ~
俺も彼女が欲しい~
彼女作って、明石家さんま達と
4人で遊ぶぞ~
4人で遊ぶぞ~
ってことで
明くる日から行動開始。
明くる日から行動開始。
とは言うものの~
具体的に
どうすればいいのか
迷った。
どうすればいいのか
迷った。
公私ともに女性と知り合える
環境下ではなかったからだ。
環境下ではなかったからだ。
職場にも若干女子社員が
居たにはいたが
年が離れ過ぎてる。
居たにはいたが
年が離れ過ぎてる。
それに
もともと薄っぺらな
オタッキー男であるから
もともと薄っぺらな
オタッキー男であるから
これといった
セールスポイントもない。悶々とした日々が続いたが
暗中模索の末
ようやく手がかりが見え始めた。
暗中模索の末
ようやく手がかりが見え始めた。
高校時代から
文通していた女子が居たのを
すっかり忘れていた。
文通していた女子が居たのを
すっかり忘れていた。
よし、彼女だ
おいら的には貴重な
糸口であった。
しばらくぶりに手紙を出してみた。
感触は悪くなかった。
そして、その年の秋に
会いに行く約束を
取りつけることに成功。
会いに行く約束を
取りつけることに成功。
一度振られているが
再告白だ~
再告白だ~
新しいバイクも新調し
遠く長野に居る彼女の元へ
ノコノコと向かったのである。
遠く長野に居る彼女の元へ
ノコノコと向かったのである。
泣いて。泣きはらして。
泣きじゃくった。
泣きじゃくった。
そして
おいらは心の中で叫んだ
おいらは心の中で叫んだ
これじゃいか~ん
ぼ~っと生きてんじゃねえ
もっと男を磨いて
前へ打って出ないとダメだ
前へ打って出ないとダメだ
今まで消極的過ぎたのだ
おいらは
攻めて攻めて攻めまくることに
決めたのである。
攻めて攻めて攻めまくることに
決めたのである。
ところが
いよいよここからが
本当の
ゆめ太郎暗黒大失恋劇場の
幕開けでもあったのだ。
いよいよここからが
本当の
ゆめ太郎暗黒大失恋劇場の
幕開けでもあったのだ。
おいらの会社の下請け業者に
一つ年下の男が居た。よく顔を合わせていたし
お互い知っていた。
お互い知っていた。
浮いた噂の多い男であったが
ひょんなことからこの彼が
女性を2人連れて来て
おいらを交えて4人で
飲みに行くという話が浮上した。
ひょんなことからこの彼が
女性を2人連れて来て
おいらを交えて4人で
飲みに行くという話が浮上した。
なんでも一人は
彼が教習所時代に
知り合った女性で
彼が教習所時代に
知り合った女性で
もう一人は
その女性の同僚だという。仕事は
ココ山岡という
宝石関連の会社らしい。
ココ山岡という
宝石関連の会社らしい。
当日は
至って形式的な顔合わせ~
といった感じであったが
とても助かった。
至って形式的な顔合わせ~
といった感じであったが
彼が上手に彼女たちとの間を
取りはからってくれたのでとても助かった。
おいら的にはどちらの女性も
ストライクゾーン。
ストライクゾーン。
彼は車を持っていたので
2回目グル交は
同じ4人でドライブに出かけた。
彼のクルマは
なんとフェアレディ・Z
なんとフェアレディ・Z
当時最新式の
3000ccターボ。
3000ccターボ。
おいらも普通免許は
持っていたので
運転させてもらったが
運転させてもらったが
バカっ速いのなんの。
ただし難点は
リアシートがすこぶる狭かった。
リアシートがすこぶる狭かった。
中央の男(奥寺・仮名)は
今回の騒動のキーマンである…
彼女たちは
茅ケ崎在住だったので
まず彼と私とで駅まで迎えに行く。
茅ケ崎在住だったので
まず彼と私とで駅まで迎えに行く。
そこから江ノ島水族館→
江ノ島展望台→海岸沿いの
タヒチアン・レストラン→
江ノ島展望台→海岸沿いの
タヒチアン・レストラン→
再び茅ケ崎で軽く飲んで
彼女たちの家の近くまでそれぞれ
送り届けて解散という行程。これ、すべて
彼のセッティングである。
しかも、トークがめっちゃ面白い。
ドライブ中も食事中も
彼女たちの笑いが絶えない。
彼女たちの笑いが絶えない。
凄え~~
プレイボーイだ。
おいらは彼のそういう部分
見習うべきところが沢山あった。
見習うべきところが沢山あった。
珊瑚荘で悶々とクスブっていた
自分って一体何だったんだ~
自分って一体何だったんだ~
そして大いに影響されまくった。
おいらは彼女らの
どちらと付き合ってもいいと
思っていたが
どちらと付き合ってもいいと
思っていたが
それより、その時は
彼の男っぷりに
惚れ惚れさせられたのが
惚れ惚れさせられたのが
正直なところであった…
閲読いただき
ありがとうございました。
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