20代を過ごした海外生活で記憶に残る、語学のエピソードをシリーズでご紹介しています。
大学の卒論を書き終えてから卒業までの2ヶ月間、ハワイに語学留学していました。
ホストファミリーは日系移民のおばあさんで、緑豊かなマノア地区の広い家。
別室には長期滞在している年上の日本人女性がいましたが、生活パターンが違うからか、ほとんど会うことはありませんでした。
近所にはおばあさんのご家族も住んでいたようで、部屋には可愛いお孫さんの写真。
日本の調度品などもたくさん置かれていました。
初日には80才近いおばあさん自らの運転で、ホノルル市街やご主人のお墓を案内してもらいました。
語学学校のあったアラモアナ。
おばあさんとの会話は全て英語。
見た目は日本人なので、敢えて英語で話してくれているものだと思っていました。
しかし、どうしても混み入った話が必要になり、日本語で話しかけてみた時のこと。
こちらの言っていることは理解してもらえたのですが、おばあさんが話した日本語は途切れ途切れで中断してしまいました。
その時はじめて「ハワイで生まれ育った方なのだから日本語は難しいのだ」という当たり前のことに気づき、見た目で判断していた自分が少し恥ずかしくなりました。
帰国後、おばあさんとは一度ハガキのやりとりをしたきりですが、今もお元気で暮らされていることを祈るばかりです。