従業員シェアの今後や展開

従業員シェアという言葉を聞いたことがあるでしょうか?

従業員とシェアの造語です

意味はそのままの通りで、従業員をシェアするということを指します

今この「従業員シェア」という考え方が注目されています。

従業員シェアの成り立ち

そもそも従業員のシェアという考え方は実は以前からありました

「ちょっと人足りないから人貸してくれない?」

など建設業界などでは昔から存在していました

建設業界は忙しい時とそうでない時の差が大きく、会社に従業員を雇っていても、その従業員にさせる仕事がなないという状態があるわけです。

しかし経営者にとってみれば、仕事がないにもかかわらず、従業員の給与を払うのは少し馬鹿らしいな〜

と考えているところに知り合いの社長から

「今の現場でちょっと人足りないから手を貸してくれんか?」

など頼まれたならちょうど今人が一人余っているからいいよ〜となるわけです。

これが従業員シェアの始まりです。

これが今のコロナで多くの仕事が失われているからこそ大きく注目されています。

従業員シェアが起こる背景

今コロナで戦後最大の不況に入ると言われています。

実際に失業率も完全失業率も2.9%と3年ぶりの水準まで上がってきました

特に飲食や観光業などは今後さらに失業者が増えていくと考えられています。

しかし経営者としては、人が余っているからといってやめさせるわけにはいきません。

大切な戦力ですし、また忙しくなったら同じレベルの従業員を育てるもしくは探すのは大変です。

しかし現在仕事がない・・・

どうしたら良いのか?ということで考えられてたのが従業員シェアという考え方です。

では実際にどのような従業員シェアが行われているのでしょうか?

従業員シェアのどのように行われる

実際には従業員シェアとは、従業員の所属は以前の会社のままです。

今の会社に所属しながら別の会社で働くという感じです。

イメージで言えば「在籍出向」というのとほぼ同じイメージです。

ただ出向というなると同じグループ企業や関連会社という感じにありますが、従業員シェアではその括りは薄いです。

今までと同じ会社に所属しながら新たな仕事をするという感じです。

一見すると経営者には良いことづくめのような気がします。

特に会社が苦しい時に「販管費を削減できる」ことはとても大きな利点と考えられます。

しかし実際に従業員シェアにいく従業員の気持ちはどうなのでしょうか?

従業員シェアでの従業員の気持ち

実はこれってめちゃくちゃ複雑らしいのです。

もちろん従業員シェアを前向きに捉えて新しい視点を持って帰るぞ〜となる方もしますが・・・

多くの方はもやもやした中の出向になってしまいます。

いくつは理由がありますので解説していきます。

①選ばれなかった

従業員シェアをされる社員もいれば、そんなことをされずに在籍したまま働く方もいます。

残った方が良いですが、従業員シャアで会社から出された方は不満が残ります。

頭では会社が厳しいから従業員シェアも選択の1つだからとわかっていても

なぜ自分が?

という思いは消えるものではありません。

悪い方に考えれば自分は会社に不必要と言われたと思い退職を考えてもおかしくないように思えます。

②賃金格差が出る可能性がある

従業員シェアの場合は在籍しているので賃金に関しては相談の余地がありますが・・・

下手をすると在籍している会社の方が賃金が高く、出向先の方が賃金が引くということになりかねません

その不足分を在籍している会社が補ってくれれば良いのですが・・・

それがない場合は不満に思ってしまいます。

③自分に適した仕事がどうかわからない

わたし的にはこの従業員シェアの一番の問題だと思っています

例えば実際にあった例ですが・・・

飲食店のスタッフが従業員シェアで倉庫作業に行きました

お客様との笑顔や接客が好きな方が人と接することが少ない倉庫作業を淡々とこなす

かなり心理的疲労がかかってくると考えられます。

仕事は仕事と割り切って働いている人なら良いですが、大好きな接客業で仕事をしたいと思っていたような子などはちょっと耐えられないと言われています。

また従業員シェアの場合はあくまでも一時的な助っ人的な扱いをされますので、する仕事がどうしても単純作業などの仕事になりやすいのです。

もちろん専門的な知識がかなりあればその業務に従事させるのでしょうが・・・

企業の根幹に触らせるにはちょっと従業員シェアを受け入れた経営者も悩むと思います

その結果従業員シェアの場合、多くの従業員は単純作業に従事する結果となるのです。

他にもいろいろと対策をとる必要があるとは思いますが・・・

わたしの感覚的に言いますと、従業員シェアをより上手にするために幾つかの方策をここで提案しておきます

従業員シェアを成功させる3つの方法

①従業員シェアの出向先は複数から選べるようにしたい

一つ目の方策としては、出向先は複数箇所から選べるようにできることが理想です。

あの会社にいってください

と言われるよりも自分が選んだ出向先と思えば耐えられる可能性が高いですし、もしかしたらチャレンジしたいものが見つかっているかもしません

できれば3つ以上から選ばせてあげることができればより満足感は得られるのではないでしょうか・

②従業員シェアはローテーションで行うようにする

これは相手様が嫌がる可能性がありますが、なるべく従業員シェアはローテーションで行うことをお勧めしています。

一人の人が半年となるよりも6ヶ月を2人3ヶ月づつで回した方が不平等感もなくうまく行きやすいです。

あくまでも会社の取り組みですのでできれば全従業員で従業員シェアできればより会社へのロイヤルティーは高まると考えられます。

まあ幹部は抵抗するで可能性が高いでしょうが・・・

③労務管理はしっかりする

あとは相談窓口を作るです。

できれば従業員シェアを最初に数人させその中から相談窓口を作っておいた方が良いと思います。

自社のことではないので、相談しても良いものか?本当に相談に乗ってくれるのか?

などちょっとしたことやパワハラやセクハラなどされる恐れがあるので、その対策として相談窓口を解説することが必要だと思います。

以上がより従業員シェアをスムーズにする方法になります。

まあ実際にやってみるといろいろと問題がおきますが、わたし的には解雇よりかは良いのかな?という思いがあります。

今の時代何が正解で何が不正解かわかりにくい時代ではありますが・・・

従業員シェアという形があるということを頭の片隅にでもひっかかれば幸いです

 

ABOUTこの記事をかいた人

運営者:高木鉄平 1978年生まれ。26歳から事業を起こし累計で30億円以上売り上げた実績を持っている。 2010年よりコーチングやカウンセリングを主体とした人材育成を各種企業団体で行っている。育成人数は述べ5000人以上!詳しいプロフィール「高木鉄平」をクリック