2020年は「新型コロナウイルス感染症」の話題一色で終わってしまいそうだ。コロナウイルスの出現によって全国的にスポーツ・文化イベント等は中止を余儀なくされ、感染拡大予防の為に新しい生活様式への移行が急務となった。
 これを機に一般社会では感染予防対策と共に「働き方改革」が進んだ。都心では特に3密に陥りやすい労働条件が数多く揃っていた。満員電車での通勤や多くの人が集まる会議は特に感染リスクが高い状況であった。加えて人間関係の不一致や残業、休日出勤などは精神的ストレスの蓄積に繋がり体調を崩す原因となりやすかった。これらの問題点は時差出勤の実施やテレワーク・リモートワークの実装によって改善の兆しが見られるようになった。また、職場に休みを取りやすい環境整備が求められるようにもなった点に関してもこれまでとは大きな違いと言える。働き方改革を進めていく中で生産性を向上させるという意味においては、まだ課題が多い現状があるが業務効率化・コスト削減のために今から徐々に始めることが出来る対応もある。今後の生産性向上の為には、各企業の実情に合わせた取り組みが求められる。
 今までは伝統あるものが正解としていた上の世代の古い考え方がコロナウイルスの出現によって淘汰され、働き方に対する価値観が多様化してきたことで昭和根性論の時代の終焉を迎えつつある。1つの時代が終わりまた新たな時代の幕開けとも捉えることが出来るであろう。
 今後、ワクチン開発によりコロナウイルスが終息したとしても再発予防の為には現在の生活様式や働き方を大きく変えるべきではないと考える。自分達の子供や孫世代が安心して働きながら暮らせるより良い未来に向かっていく為にも、身体面と精神面の両面で健康を維持できる経済・社会を日本全体がワンチームとなって目指していってほしいと切に願う。