アベンジャーズが嫌いな人はいるか？
多くの人に愛される作品だが、万人に愛される作品なんて存在しない。
誰かがどこかで嫌いだと言っているでしょう。
ではもう少し枠を広げて
MARVELが嫌いな人はいるか？
それも当然います。
そもそもヒーローものが嫌いな人がいることは想像に難しくありません。
では今回はそんな方々の為に記事を書くのかと言えばちょっと違い
もう少し捻くれた方にお届けしたい。
それは
MARVELは好きだけどAVENGERSは嫌い
流石にそんな人はいないだろう...とお思いかもしれないが
いる！
僕だ！
刺身は大好きなのに舟盛りは嫌い
みたいな、とんでもない偏食だがなんか苦手。
そんな捻くれた僕みたいな人がいれば読んで欲しい
このたび僕、
アベンジャーズ肯定派になりましたので。
2018年/アメリカ
監督：アンソニー・ルッソ、ジョー・ルッソ
出演：ロバートダウニーJr、クリスヘムズワーズ、クリスエヴァンス、マークラファロ、スカーレットヨハンソン、ベネディクトカンバーバッチ、トムホランド、トムヒドルストン、ほか
上映時間：149分
87点
ざっくりあらすじ
宇宙のはじまり、6つのインフィニティーストーンなるものが生まれた。
その全てを手に入れし者は、一瞬にして宇宙を滅ぼす程の力を得る。
手下を使いインフィニティストーンを集めようとしていた宇宙最凶最悪の敵サノス。
奴が遂に自ら動き出した。
その野望を阻止する為、アベンジャーズが再び集結する。
宇宙の命運は彼らに託された
抱きしめた 心の小宇宙
熱く燃やせ 奇跡を起こせ
言うまでもなく、アベンジャーズは人気もファンの熱量も高い。
国民的人気アイドルグループのS・Sが
「キャプテンアメリカはダサい」
と言っただけで
ネットではクレームの嵐
言葉を慎重に選ばなければ、僕みたいな弱小映画ブロガーなんか瞬殺です。
しかし僕は臆することなく、これまでアベンジャーズ批判をして来ました。
結果は想像に易いと思うので割愛。
では僕はアベンジャーズの何が気にいらないのか
それは、
マーベルは何でもかんでもアベンジャーズに繋げすぎ集めすぎ！
いや仮面ライダーとかヒーロー大集合的なお祭りは大好きなんです。
でもそれはある程度パワーバランスが揃っているから成立してるのであり
神も鉄男もドーピングマンも弓矢おじさんも
みんなアベンジャーズってどうなの？
あまりにパワーバランスがおかしくない？
で、お祭りはお祭り、オリジナル本編とは別にお考え下さいならまだ良いです。
でもアベンジャーズはガッツリ本編に影響して来ます。
アベンジャーズでガッツリいじくり倒して、はいお返ししますなんてオリジナルの監督も困ってしまいます。
責任もなくオリジナルの世界観をイジルくらいなら全部同じ監督で撮れ！
てな事を言って来た訳です…はい。
そしたらもう...
お前はもうアベンジャーズを観るなだの、
MCUをもっと勉強しろだの
そもそもアベンジャーズありきのオリジナルだってことを理解しろだの
アベンジャーズ論が届く届く、しかも長文で･･･
うるせぇ！
それが正論かもしれないけど、だから好きになれって言われても困りますよ。
観るなって言われても、観なきゃ続編で意味が分からなくなるので一応観ますよ。
と頑なに横を向いて来ました。
で、今作も通例通り仕方なし、一応観ておくか精神で観た訳です。
そしたら何これ！
お、お、面白え！
今まで否定して来た事が馬鹿らしくなるくらいド傑作だったんです。
前置きが長くなりましたが、今作が今までとどこが違うのか
僕と同じくアベンジャーズを否定してきた人達に、何を観て貰いたいのか
その辺を説明していきます。
其の１
GotG Vol.2.5だった
僕がインフィニティウォーを観るにあたり1番不安視してたのが
ガーディアンズオブギャラクシー（以下GotG）メンバーのアベンジャーズ参入でした。
僕はマーベルの中でもGotGが別格に好き
アベンジャーズは1からサノスがチラ映りしてたので、連中がいつか参入することは分かっていました
それでも
うわぁ〜変な使われ方されたら嫌だなぁ〜
出来れば参入して欲しくないな〜
サノスだけの貸出で勘弁してくれないかなぁ〜
と心から願っていました。
でもそんな心配は杞憂でした。
サノスとガモーラの出会いと関係性
サノスを父に持ってしまったガモーラの宿命
愛するガモーラを助けようとするスターロード
ロケットの暴走、グルートの愛嬌、ドラックスのボケ
それにアベンジャーズの連中が絡まって
た、堪らん！
鑑賞後、GotGの最新作を観たと言っても過言ではない程僕のGotG愛が満たされました。
また憎いのがスターロードの戦いの場は決して地球にしないというね
スターロードが地球に帰る時、それはあの映画の最重要ポイントだから残しておこうという気づかい
偉い！
マーベルもアベンジャーズも興味はないけどGotGは好きというあなた！
インフィニティウォーはGotGの続編としてだけでも観る価値アリです。
其の2
サノスが凄かった
GotG繋がりで言えば今回のラスボス サノス。
ご存知GotGのラスボスでガモーラの義理の父でもあります。
今まで風貌だけでその恐ろしさの一端を感じていましたが、
まさかここまでの暴君とは...
インフィニティウォーの始まりは「マイティソーバトルロイヤル」のラストに直結しています。
開始早々ソーはボコられ、ハルクは子供扱い、そしてロキの欺きさえ通用しません。
アベンジャーズ初鑑賞の方はきっと
アベンジャーズ弱えwww
とお思いになるでしょうが
アベンジャーズが弱えんじゃねぇ、サノスが強すぎるんだ...
とジャンプによくありがちなセリフを置いておきます。
それ程の強さを持ちながら更に力を得る為インフィニティストーンを集めるサノス。
更なる力を得て何をするつもりなのか？
それは
全宇宙の生命全てを半分にする
です。
なんてムチャクチャな...
ですが、サノスにはサノスの信念があります。
生まれ故郷タイタンが滅びた原因は増えすぎた生命にあった。
ならば命を減らすしかない。
インフィニティストーンの力を持ってすれば、指を鳴らすだけでそれが可能。
老若男女分け隔てなどなく平等に死を与えられる。
苦痛もなく一瞬で。
それが出来るのは自分だけで
それだけが宇宙の均衡、平和を保つ唯一の方法
と言ってのけます。
THE 唯我独尊
ここまで徹底してるとカッコイイですね。
正義の味方が嫌いでアベンジャーズが苦手という方
インフィニティウォーの主人公はサノスです。
悪役が主人公のヒーロー映画なら少し興味が沸いてきませんか？
サノスだけじゃなく、手下のブラックオーダーっていう4人衆もカッコイイですよ。
とにかく今作は悪役が魅力的なので...
え？今は悪役じゃなくてヴィラン？
んなもん知らねえよ、こちとら昭和の時代から悪役、敵で育ってんだから。
其の3
新メンバーがハマってた
スパイダーマン、Dr.ストレンジ、ブラックパンサー、そして先に出て来たGotGのメンツがアベンジャーズに新規参入してます。
これが無茶苦茶ハマってた！
GotGメンバーは先に書いたとおりバッチリだったし、スパイダーマンとブラックパンサーは既にシヴィルウォーで参入してたようなモノだから問題なし
意外だったのがDr.ストレンジ
だって時の魔法使いですよ。
あまりにもチートすぎる能力じゃないですか？
こりゃアベンジャーズパワーインフレも限界だなとか思っていました。
ところがどっこい敵がサノスというチートの極みみたいなやつです。
Dr.ストレンジの加入ぐらいでは全く追いつかない訳です。
そうなってくるとこの新しきヒーローが面白い存在になります。
俺様キャラ･アイアンマンとタメをはれるくらいの俺様キャラ･ストレンジ。
2人の掛け合いが実に面白い。
しかも科学と魔法という真逆の能力者です。
この2人の相乗効果はこれまでのアベンジャーズにない新しい魅力となりました。
バトルでも、今までの物理攻撃一辺倒（悪く言えば単純）ではなく、ちょっとこれまでと違った面白い戦法が見れたりします。
バトルの幅の広さ
これもインフィニティウォーを観て欲しい理由の1つです。
其の4
キャプテンが控えめだった
過去2作のアベンジャーズはキャプテンとアイアンマンが主役で他はサブみたいな印象
そこが凄く気に入らなかった。
2人とも嫌いな訳じゃない。
各々の作品では大好き。
特にウィンターソルジャーのキャップは最高です。
でも各々の作品で主役ヅラするのは当然としてアベンジャーズでまで主役ヅラするのはどうだろう？
みんな主役を張ってる連中が集まってるんだから譲り合いの精神が大事なんじゃないか？
それなのにあの2人は俺が俺がとグイグイ前に出る、鼻につく。
ところが今回キャプテンは非常に控えめでした（アイアンマンは相変わらずだけど）
シヴィルウォーでアベンジャーズを離れたキャップはユニホームも星も黒く染め、髭を生やし僕好みの渋い存在となって帰って来ました。
新メンバーに挨拶する際も
キャプテンアメリカですではなくスティーブロジャースと本名で名乗っていました。
いやいや僕もうキャプテンじゃないので...
アメリカを背負うような男ではないので...
という謙虚な気持ちの表れでしょう←たぶん違う
いいやん いいやん キャップ
僕と同じくあの2人の態度が気に入らんかったという方。
今回のキャップは大変良い感じなので是非見てあげて下さい。
其の5
舞台が広かった
アベンジャーズの連中はいつもそれぞれが世界を救っています。
敵の違いや危機感に違いはあれど世界を救っている事に変わりはありません。
で、アベンジャーズで揃っても当然世界を救います（主にアメリカ）
極端な話、1人の時もみんなの時もやってる事は同じ。
ならわざわざ揃わなくても…なんて思う人（僕）がいても無理はありません。
でも今回は宇宙の危機。
こりゃヒーローも結集せざるを得ません。
思えばあれだけの能力者が揃うには地球（主にアメリカ）は狭すぎたんです。
みんなが同じ所で戦うから画面がガチャガチャしてうるさい！
そんな風に感じてませんでした？
最初の船盛の例えで言えば
大将、刺身が凄いのに船が小せえ！
て感じです（余計に伝わらんか？）
やっぱあれだけのヒーローが集まるんだから
それなりの舞台を用意してあげないとね。
思いっきり暴れることも出来ません。
これは映画の自由度の高さにも通じます。
それが次の理由に繋がります。
其の6
役割分担が素晴らしかった
今までのアベンジャーズでやって来たことは
敵が現れた！みんなで戦え！地球を守れ！
でした。
同じ場所で同じことをやるから画面がうるさく単純で物足りない
その癖ごちゃごちゃしてて何をやってるのかようわからん
これが自由度の低さからくる弊害
だったと思います。
今回は舞台が広大です。
収納が広いと当然整理もしやすくスッキリします。
それぞれ与えられた場所で各々の仕事が出来ます。
あっちの惑星、こっちの惑星、そして地球
自然と合流したヒーロー達が即席チームを作り今自分達がやるべき事をやる。
敵と戦う。
決して意気投合した訳ではないけど。
それがストーリーを作り、テンポをよくし、絵替わりも多く楽しめる。
複雑な話も多彩な絵も分かり易くて集中が途切れない
これがインフィニティ・ウォーの最大の魅力だと思います。
太陽が凍りついても
僕と君だけよ消えないで
其の7
終わり方に鳥肌が立った
僕をアベンジャーズ肯定派にした決定打はラストです。
流石にラストはネタバレ過ぎて書けないのでエンディング間際の僕の心の声を再現しておきます。
お前がそうなったかぁ...
え？お前も？
お、お前までも
うわぁどエライことになってきたな
ここで終わったら凄いなw
でも流石にそれはないか
ヒーロー映画やしな
どうすんねやろ...？
終わったー！！！
マジで終わらせやがったー
こんな感じです。
いやぁビックリしました。
まさにヒーロー映画の常識を覆すというか
希望を与えるのがヒーロー映画のはずが今回与えられたのは
絶望
とんでもない
絶望
ヒーローに夢見るKIDSは間違いなく大泣きします。
家族サービスでお子さんにBlu-rayを買って帰ると大失敗の巻になるのでご注意下さい。
でも夢や希望などとうに捨てたオヤジの僕は大歓喜
トリハダがたちました。
そう！こういうヒーロー映画が観たかった！
やるじゃねぇかアベンジャーズ！
まぁ次でなんとかなるんだろうけど、一時的とはいえこんなエンディングを用意した事に拍手を贈りたいです。
アベンジャーズ嫌いの人は絶対ハマるラストです。
ここだけは
必見！
と声を大にして言わせて頂きます。
という訳でアンチアベンジャーズの僕がなぜ支持者に寝返ったのか、そして他のアンチ達を勧誘しようとしたのかを書かせて頂きました。
本当は7つどころか10でも20でも理由をあげたかったのですが、それは本編を観てのお楽しみとして残しておきます。
ここに書かれていない魅力を是非皆さんで見つけて下さい。
でもなぁ、アベンジャーズは長いし他のマーベル作品観てないと訳わかんないしスルーかなぁ
なんてお思いの生粋のアンチアベンジャーズさん。
2時間半なんてあっという間に感じる程面白いですから。
あと他のマーベル作品を観てない方もなんとなくキャラさえ把握してれば大丈夫だから
僕を信じて
騙されたと思って
インフィニティウォーを観てくれ、いや観て欲しい、観て下さい、お願いします。
そしてこれからは共にアベンジャーズ肯定派として応援していきましょう！
ちなみに僕はロキ並みに気まぐれで嘘つきです。
あまり信用すると次の作品次第であっさり裏切りますのでご注意下さい。
それでは皆さん、
Wakanda Forever！
追伸、
この記事を書いてる最中、ヒーローたちの生みの親スタン・リーの訃報が飛び込んで来ました。
そこまでアメコミ信者でも無いはずの僕が、予想以上にショックを受けてしまいました。
ずっといてくれる気がしてたんですよ。
アベンジャーズ4にも当たり前のように出てくれるって
彼のカメオ出演をもう見れないなんて...なんか信じられないなぁ。
だからMARVEL風にこんなメッセージを置いて終わらせて頂きます。
全くMARVEL作品を観てないという方の為に、僕が思う最低限観ておいて欲しい最短ルートを置いて置きます。
キャプテンアメリカ→マイティ・ソー→アベンジャーズ→アベンジャーズ/エイジオブウルトロン→シビル・ウォー→マイティソー/バトルロイヤル
あと好きなタイミングでGotGかな？
本当は伏線回収が凄いので全作品観て欲しいんだけどね。
