第87回日本ダービー レース回顧




第87回日本ダービー(G1・東京・芝2400m・良)

無事に終わりました。よかったよかった。
グリーンチャンネル観戦という慣れない観戦ですが、満足できるレースだったと思います。

予想はこちら。まぁ本命対抗は誰でもあたるよ。あんなに強いんだもの。
ペースを読み違えたらダメ。

父と同じ道へ 第87回日本ダービー 展開予想

2020.05.28

パドックは皆さん綺麗なので言う事ないです。
馬体重もそんなに増減はありません。ダービーですから。変なことはしません。

馬場はとても良いです。
青嵐賞でセントレオナードがラスト5Fで11秒台を続けて2:24.6、4歳1勝クラスのマイル戦で1:33.8。
とんでもなく速い事はないですが、ペースも遅いですからね。
ちょっとでも落ちれば2400mでもダービー出走馬なら上がり34.0を切れる馬場です。

WIN5は久々に参加したけど4レース目で撃沈。あぁ、エントシャイデンめ。
こんなローテで勝つか?厩舎が確変中なのか。

スタートはあの角度なので見にくいですが、サトノインプレッサが伸びあがるような感じでやや後手。
コントレイルは非常によく、大外のウインカーネリアンもスタートは良かったですね。ガロアクリークも非常に良いスタートです。
ダーリントンホールはまたも出遅れ気味。この馬は…。

一方でビターエンダーのスタートが悪かったため、外からすんなりウインカーネリアンが先頭です。
コントレイルも前に。サリオスは中団。この辺りは内に入れようがないサリオスは仕方ありません。

すんなり隊列が決まったのもあり、ペースは落ち着きそうだなというのが最初の1コーナーへの入りです。
コルテジア、ディープボンド、コントレイルとノースヒルズの勝負服が目立つ前の方。
内でアルジャンナが首を上げたり、ワーケアも包まれてストレスはかかってそうですね。まぁそれが内枠の宿命です。

1コーナーの雰囲気だとガロアクリークがいい感じに見えました。
あとはサトノフラッグは随分後方だなというの位。そこまで激しい争いにもならず、スムーズな前半でした。

ウインカーネリアンがゆったりと先頭。
2番手にクビを下げてコルテジア。外からディープボンド、内にコントレイルがガッシリ手綱を抑えています。前向きな気性ですが、離したら更に行ってしまう感じも受けません。
コントレイルに並ぶように不気味なヴェルトライゼンデ。

ヴァルコスが外から積極的に進め、ガロアクリーク、アルジャンナとワーケア。この辺りまでが1つの集団。

それを見る形で折り合い抜群のサリオス。いい位置です。
内にサトノインプレッサ、ビターエンダーが中団、ダーリントンホールは行きたがってました。
その後ろからグーンと上がるマイラプソディがいますが、サトノフラッグ、ブラックホール、レクセランスで最後方がマンオブスピリットという展開です。

マイラプソディがかつてのレイデオロのようにグーンと外から上がっていきました。
パトロールビデオ見ると非常に面白い。マイラプソディの動きだけで向正面は見る価値ありです。デットーリ騎手とかたまにやりますね。
1頭離して仕掛けたい時に自分のタイミングで仕掛けられるというのが良いですが、2コーナー出口で早々に外に持ち出していますので、ペースの遅さから狙っていましたね。

ペースは超スローに近いスロー。馬場がいいだけにここまで落とすとは予想できませんでした。
36.8-49.4-61.7。
レイデオロの時はもっと遅かったですが、遜色がない遅さ。
1000m通過後にはマイラプソディが先頭で動かしていったことで、レイデオロやエイシンフラッシュの時のような13秒台が刻まれる事もなく、じわっとペースが上がっていきました。

動く馬がいて当然のペースですが、マイラプソティだけか、というところ。
他はほとんど隊列が変わらなかったので、スローペースという事を考えると、もう少し動く馬が出ても良かったんじゃないかな。
マイラプソティが先頭に立ってから、ディープボンド、コルテジアもウインカーネリアンを交わすような感じで前に行き、その後ろにコントレイルです。

4コーナーにかけて外からヴァルコス、ヴェルトライゼンデ、ガロアクリーク、サリオスが外から上がっていきます。
一方でコントレイルはじっくりとコーナーを曲がり、ヴァルコスとディープボンドの間へするすると進路を取り、ほぼレースは終わりです。

コントレイルは内外の馬が離れたところでやや外に持ち出す感じがディープインパクトっぽい動きでした。
その後ろからサリオスとヴェルトライゼンデが迫りますが、2馬身程度の差がありました。

逃げるマイラプソディが残り200mまで粘っていましたが、そこから一気にコントレイルが先頭へ。
サリオスが後ろから追いかけますが、差が詰まりません。
その後ろはヴェルトライゼンデ、ガロアクリーク、ディープボンドと間からサトノインプレッサの激しい戦いになっていますが、そんなのは知らぬ世界という感じでコントレイルがぐんぐんゴールへ向かいました。

サリオスは残り100m過ぎてから走りにブレが出てきて苦しそうでしたね。

コントレイルはゴールまで見せ鞭をしつつ、ほぼ真っ直ぐ走り切り、1:13.5-1:10.6=2:24.1。上がり34.0。
自身は1:13.8-1:10.3位かな。どちらにしてもスタートから心配する所がありませんでした。完勝です。

ディープインパクト産駒の牡馬最高傑作になれるか?の位置に到達しましたね。
秋は3冠か、それともアーモンドアイを倒しに行くのかは分かりませんが、どちらにしても非常に面白い戦いが見られそう。無事にいってもらいたいです。
スタートで内の連中があまり良くなかったのと、やはりお隣がレクセランスというのが大きかったと思います。
スタート直後に内が大きく開き、ワーケアの前に無理なくスムーズに入れました。

4コーナーでもヴェルトライゼンデがお隣にずっといましたが、ヴェルトライゼンデの方がスピードアップについていけず、外がぽっかりと。
勝つ時はそんなもんだ、というレベルではないものの、勝負所でストレスは少なかった印象です。圧倒的1番人気なのに。
サリオスと内外枠が逆でも差は変わらないでしょうね。3馬身が2馬身半になったかも位。現時点の東京2400mでは明確に力の差がありました。

将来3000m以上走る事はないと思いますが、それでも菊花賞は大丈夫。
2400mをこのペースで問題なく走れれば、菊花賞ならこなせます。
サリオスは厳しい感じなので、ライバル筆頭はヴェルトライゼンデになるのであれば、負けようがない。
天皇賞でアーモンドアイと戦ってほしいものの、この血、父の後継という意味で、菊花賞で見たいですし、そうするはず。見に行かねば。今からホテル取ろうかな。

サリオスは時代が悪かった馬としてはこの上ない程の結果になりました。ウインバリアシオンといい勝負ですね。
皐月賞、ダービーと後続をきっちり突き放しての2連敗。
ただ最後は厳しそうでしたので、東京マイルから2000mならもっといいパフォーマンスが出るはずです。
道中もゆったり走れますし、確実に切れます。

コントレイルがUnbridled’s Songの肌にディープインパクトですので、血統だけみると早熟です。
サリオスはLomitasにハーツクライですので、将来は分かりません。秋は交わらなさそうな感じはしますが、来年の天皇賞秋とかで観戦できれば最高ですね。

3着のヴェルトライゼンデはお隣の枠からコントレイルをマーク。
4コーナーで遅れたのが不満ですが、それでも最後までしっかり伸びて3着確保。
秋の京都はこの馬は向いていると思っていますので、下り坂を利用できれば勝負所もマシになるはず。距離延長はもちろん歓迎。
菊花賞は皐月賞以上に誤魔化せるので、着差は大きいですがもう少しいい勝負できるかな。

サトノインプレッサは直線最初外に出そうとしていましたが、空いた内側を最後は縫って4着。
買ってなかったので焦りましたが、ダービーの1枠の力は感じました。
馬もNHKマイルカップより前向きに道中走れていましたし、スピードはある馬なんだなということは再確認しました。
スタートの後手もそうですし、前半の組み立てがもう少し楽にならないと、そこそこ毎回人気になって、こういう惜しくも馬券ならず…というレースを連発するでしょうね。

ディープボンドも粘っていました。
こちらも京都ならもう少しなんとかなりそうなタイプです。
手応えは早々に悪く見えるのですが、そこから粘ります。春は強行スケジュールでしたが、皐月賞ビリ人気とは思えない走りをしています。
直線ふらふらしていましたし、まだまだかも。キズナ産駒として掲示板確保は父の今後のためにも良かったと思います。

ガロアクリークも最後いい脚でしたが、4コーナー前で下がったのが惜しかった。
前半リズム良さそうだったのに、3コーナー付近から促すシーンもあり、乗り切れなかったのかもしれません。
でもこの馬は走るな。今更だし、走りが硬いのが気にはなるものの、中山、阪神だとズバンと切れていい穴馬になりそうな感じがします。距離も全然大丈夫。
セントライト記念→天皇賞秋→有馬記念とかで見たい。菊花賞も距離は問題ないですが、疲れないように有馬記念で見たい。

ワーケアは予想では3番手でしたが8着。
皐月賞使わなかったからだ、という事はないですが、思ったよりも伸びませんでした。
スローな流れで内でじっくり。展開は向いたと思ったけど上がり34.8止まり。
皐月賞、ダービーは順調に(この馬はアクシデントではないものの)使っていないというのだけでマイナスなのは分かってても期待してしまったこちらが悪い。

サトノフラッグは後方のままでした。
目立たないでひっそりと終わりました。
3着との差は着順よりは大きくないのは事実ですが、この人気の馬に対しては逆に失礼ですね。

マイラプソディは最後13秒台位に失速して9着。
皐月賞の時に走りが全然違うと思っていましたが、今回は思い切った途中から先頭という走り。
最後疲れたと思います。これで馬が「もう嫌だ。絶対最後まで走らない。」とならないといいなと。見てる分には面白いですが。

 

勝ち時計はそこまで驚異的でもありませんし、ペースが遅かったので仕方ありません。
中弛みがあるかなと予想し、その通りになりそうな所でマイラプソディが打ち消したのもあって、単純なスローペースにならなかったのは良かったです。

レーティングはなかなか難しいですが、ドゥラメンテ121は超えるはずなので…123になるかな。
サリオスが118?ちょっと高いか。この辺りのさじ加減は難しいですが、英国ダービー勝ち馬以上のレーティングになると思います。昨年もそうでしたが。

今年の牡馬クラシック世代は印象としては、「中間層が薄い世代」だったという印象です。
もちろん夏競馬で全く違う結果になるかもしれませんが、グッとクラシックに向けて成長してきたというタイプが少なかったです。
強いて言えばガロアクリーク、ディープボンド辺りですかね。

コントレイル、サリオスという超一級品の2頭が100点、95点という感じ。その次が75点というイメージです。
トライアルもそうでしたし、上位8頭を見ても真新しさという点では欠けます。サトノインプレッサ位か。でもこの馬もNHKマイルカップ出てるしな。
3着にホープフルS2着のヴェルトライゼンデが粘っているように、大きく逆転が起きなかった世代でした。

秋は無敗の三冠チャレンジが待ってそうですし、できれば現地で観戦したい。
そう感じるコントレイルの走りでした。