■がん 表在性のがん 難治性の皮膚疾患 #アズノール#カミツレ | まねき猫ホスピタル院長 獣医師・石井万寿美 ペットのいる暮らし

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小動物臨床をしている獣医師です。書くことが好きで本も書いています。自分の勉強したことを伝えて、少しでも世の中に還元できれば、こんな嬉しいことはありません。

 

 

表在性のがんで自壊していました。難治性の皮膚病などに上から塗布するのに、

何を使っていますか?

 

よく処方されるのが、ステロイド剤ですね。アズノール軟膏は、長期に使うのに、おすすめの軟膏です。

 

皮膚病だとステロイド剤がよく使われますが、よく効きますが、それだと副作用もあるので悩むとことですね。

 

アズノール軟膏は、長期に使うのに、おすすめの軟膏です。

 

今日は、植物成分から出来た「アズノール軟膏」をご紹介します。

カモミールから出来ています。

 

 

 

(キク科の植物に含まれるグアイアズレン(ジメチルイソプロピルアズレン)が原料となっています。ほぼ全身に使用できます(眼球などは除く)し、赤ちゃんにも使用することが可能)

猫さまに注意
菊アレルギー子がいるので、少量から始めてね。
 
●アズノール軟膏の効果

 

*抗炎症作用(炎症を抑える作用)

 「アズレン誘導体」というものがあります。このアズレン誘導体は、ニキビなどの炎症を抑え

 

*創傷保護作用(傷を保護する作用)

 傷口が軟膏で覆われるため、創傷部を保護し、治癒を促す作用があります。

 アズノール軟膏の成分

 ・ラノリン

  ラノリンはヒツジの毛から取れる脂

 ・ワセリン

 保湿効果があることが知られています。

 

*抗アレルギー作用(アレルギーを抑える作用)

 ヒスタミン遊離を抑制することによる抗アレルギー作用

 かなり弱め

 

*抗がん剤作用

 「アズレン誘導体」という成分に加えて「アビゲニン」という一種のポリフェノール成分との相乗効果

 「アビケニン」はガン細胞の不死サイクルを途切れさせる

 

(特徴)

・効果は全体的に弱め
・その分副作用も非常に少ない

 
もちろんこれだけで効くというわけではないのですが、副作用がないし、猫さまの場合は菊アレルギーがないかを見ながら使わないといけませんが、こんな軟膏もあります。
 
がんを含めて皮膚疾患がなかなか治らないと思われている飼い主さんは、アズノールというものを知識として知ってくださいね。かかりつけ医とご相談ください。