バットを短く持て？

甲子園球場では、
高校野球

の熱戦が
繰り広げられています。

東千葉代表の
木更津総合高校

右打者は、
かなり短くバットを
持っていましたね

バットを短く持って、
ベース寄りに立つ

何か攻略の意図が
あってのことだと思います。

一般的に、

「バットを短く持つ」

野球の現場では、
「振り遅れないように」
「速いボールに対応するために」
よく聞かれる言葉です。

野球解説者も頻繁に言っています。
野球指導書にも書かれています。

実際にはどうなんでしょうか

島田一志・田畑広樹・川村卓(2008)
野球のバッティングにおけるバットの
握り位置の相違がスイングに与える影響.
金沢星稜大学人間科学研究，1(1): 71ー74.

短く持ったバッティング動作は，
バットの操作性が高まり
ボールへの対応が容易になる。

外角球やスライダーなどの
体から離れるように変化する球を
打つことにおいて不利。

川畑浩一・伊藤章(2012)
グリップ位置と投球速度の違いが
野球のバットスイングに及ぼす影響
体育学研究, 57(2):557-565.

短く持ったバッティング動作は，
バットの回転半径減少による
ヘッド速度の低下が正確性を高めている。

太田洋一, 中本浩揮(2015)
バットグリップ位置の変化が野球の打撃タイミングと
床反力および筋活動に与える影響
体育学研究，60:527-537

バットを短く持ち替えてスイングしても
時間的な打撃タイミングの向上は
認められないことが示唆された。

短く持ち替えた際に、
スイングの準備動作が遅延することで、
スイングの振り遅れが増大する
可能性が示された。

つまり、

バットを短く持つと

ヘッド速度は低下
打球速度・飛距離は減少

スイング時間は変化せず
時間的な打撃タイミングは変化なし

（途中で短く持ち替えると振り遅れが増大）

「振り遅れないように」
「速いボールに対応するために」
短く持てば対応できる？

実際には認識と現実のズレの
可能性が大きいようです

ただ
ボールにバットを当てるだけなら
短く持っても良いのかもしれませんね