●宇宙探査●月と火星を第2の地球に!―SPE―         科学技術研究者   勝 未来

                 ~各国は月と火星の探査計画を着々と実行に移している~   

●宇宙探査●インターステラテクノロジズ、イタリアのD-Orbitと打上げサービス提供に関する包括契約を締結

2024-04-18 16:03:34 | ロケット
 インターステラテクノロジズ(北海道広尾郡⼤樹町)は、小型人工衛星の物流サービスを手がけるイタリアのベンチャー企業D-Orbit S.p.Aと、ロケット打上げサービス提供に関する包括契約を締結した。

 両社は今後、宇宙産業の大きな成長が見込まれるアジア圏において、市場拡大のボトルネックとなりうる宇宙輸送サービス供給に協力して貢献する。

 D-Orbit社は、衛星の「ラストワンマイル」事業とロケット打上げ事業の連携で、低価格で柔軟な宇宙輸送サービス提供へこれまで15回の軌道上ミッションを成功させ、累計140機以上の衛星の軌道投入実績を有している衛星向けロジスティクス分野におけるリーディングカンパニー。

 同社は、複数の小型衛星を搭載できる「ION」を自社開発・製造し、衛星を事業者が希望する軌道に正確に投入する「衛星のラストマイルデリバリーサービス」、軌道上実証機会を提供する「ホスティングペイロードサービス」を展開してる。

 一方、インターステラテクノロジズは、近年の市場拡大を牽引している小型サイズの衛星をターゲットにしたロケット「ZERO」を開発している。民間単独では国内初となる宇宙到達実績のある観測ロケット「MOMO」で得られた知見を土台に、一気通貫の開発・製造体制による「競争力のある価格」と、多様化する衛星のビジネスモデルに合わせて専用に打ち上げる「柔軟性」を強みとしている。さらに今後、国内やアジア・オセアニア諸国の衛星事業者に対しては、発射場が近く、打上げまでの手間やコストがかからない「利便性」も提供価値として付与していく。

 両社と、両社に出資する丸紅は、2020年2月に小型衛星放出システムの研究・開発を行う協業意向書を締結している。

 今回の包括契約では打上げサービスのみならず、将来にわたってビジネス連携を深めることも明記しており、衛星の「ラストワンマイル」事業に取り組むD-Orbit社と、ロケット打上げ事業を提供するインターステラテクノロジズが相互に協力することで、より低価格で柔軟な宇宙輸送サービスを構築する。
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●宇宙探査●将来宇宙輸送システム(ISC)、再使用型ロケット「ASCA-1(アスカ-ワン)」プロジェクトを始動

2024-04-09 13:55:04 | ロケット
 将来宇宙輸送システム(ISC)は、米ウルサメジャー・テクノロジーズ(UM) と協業し、再使用型ロケットを開発するASCA-1(アスカ-ワン)プロジェクトを始動するとともに、米国法人シリウス・テクノロジーを設立する。

 ISCは、宇宙往還を可能とする輸送システム実現の第一歩として、再使用型ロケットによる人工衛星打ち上げサービスを目指している。既に文部科学省SBIRフェーズ3事業「民間ロケットの開発・実証」の採択を受けており、現在、2028年3月までの人工衛星打上げ実証に向けた研究開発に取り組んでいる。

 今回、同プロジェクトを通じて開発する再使用型ロケットの名称を「ASCA-1(アスカ-ワン)」と定め、段階的に有人宇宙飛行に挑戦する開発ロードマップを策定した。

 あわせて、米国のロケットエンジン開発企業である米ウルサメジャー・テクノロジーズ(Ursa Major Technologies(UM)と連携して、日米のスタートアップ企業同士が連携した再使用型ロケットの開発を行う。再使用型ロケットの開発に向けて、日米ロケット開発ベンチャー同士が連携する試みは、同プロジェクトが日本初となる。

 同連携を通じて、UMが製造販売するロケットエンジン「HADLEY(ハドレー)」をISCが購入し、米国内での飛行実証を通じて得られたデータの共有を通じたエンジンの改良など、日米ロケット開発ベンチャー同士が連携して宇宙産業をさらに発展させることにしている。
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●宇宙探査●QPS-SAR 7号機「ツクヨミ-Ⅱ」、アンテナ展開に成功

2024-04-09 13:35:45 | 人工衛星
 QPS研究所の小型SAR衛星QPS-SAR 7号機「ツクヨミ-Ⅱ」は日本時間4月8日(月)8時16分の打上げ、初交信成功の後、同日深夜に収納型アンテナの展開に成功した。

 その後の機器の動作情報ならびにジャイロなどのセンサー類、ツクヨミ-Ⅱのアンテナの一部を撮影した衛星のセルフィー画像を総合的に検討した結果、アンテナは無事に展開したことを確認いたした。

 今後、衛星の調整を続け、初画像の取得を目指す。


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●宇宙探査●インターステラテクノロジズ、JAXAの超小型衛星の打上げ輸送サービス「JAXA-SMASH」の優先打上げ事業者に選定

2024-03-26 17:51:58 | ロケット
 インターステラテクノロジズ(北海道広尾郡⼤樹町)は、宇宙航空研究開発機構(JAXA)と「打上げ輸送サービスの調達に関する基本協定」を締結しました。

 同協定は、JAXAが公募した超小型衛星ミッションで開発された衛星を打ち上げる民間事業者を選定するもので、スタートアップ等による宇宙輸送サービスの事業化を打上げ発注契約によって支援するもの。

 日本政府は2030年代前半までに、国や民間ロケットを活用して国内の打上げ能力を年約30件確保するとの方針案を示しており、インターステラテクノロジズは引き続き、信頼性とコスト競争力を両立させた小型ロケット「ZERO」の開発を通じて、国内の自立的な宇宙アクセス維持・拡大に貢献する。

 同協定は、超小型衛星ミッションを公募し、JAXAが選定した民間輸送サービスで打ち上げるJAXA-SMASH (JAXA-Small Satellite Rush Program、産学官による輸送/超小型衛星ミッション拡充プログラム)に基づき締結したもの。

 インターステラテクノロジズは、今後の発注契約において優先される「打上げ事業者A」として選ばれた。

 日本政府は、2023年6月に閣議決定された新たな宇宙基本計画に基づき、2028年度以降には政府・民間を問わず国内すべての衛星が国の基幹ロケットまたは民間ロケットによって打ち上げられ、海外需要も取り込んでいくことを目標に掲げている。

 インターステラテクノロジズは、2023年9月にスタートアップ等による研究開発を促進する文部科学省の「中小企業イノベーション創出推進事業(SBIRフェーズ3)」にも採択されており、低価格で高頻度な民間宇宙輸送サービスを国内で早期に実現するため、研究開発と打上げ契約発注の両面でサポートを受ける。

【ロケットZEROの仕様】

全長:    32 m
直径:    2.3 m
全備重量:  71 t
エンジン基数:一段目 9基、二段目 1基
推進剤:   燃料 液化メタン(液化バイオメタン)、酸化剤 液体酸素
打上げ能力: LEO 800 kg / SSO 250 kg (将来最大能力)
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●宇宙探査●高砂熱学工業、世界初となる「月面用水電解装置」完成し月への輸送を担うアイスペースへ引き渡し

2024-03-18 23:27:42 | 月面探査
 高砂熱学工業は、月面用水電解装置フライトモデル(FM)の開発を完了し、月面輸送サービスを手掛ける宇宙スタートアップ企業のアイスペースへ引き渡した。

 近年、月に水資源がある可能性が示されている。将来的に月面で採取した水から水素と酸素を生成すれば、水素はロケットなどの燃料として、酸素は人が月面で生活するために利用できる。

 同社は、建物で利用するエネルギーとして水素に着目し、約20年前より水素製造技術の開発を始めた。

 地上用の水電解装置を開発し、空調設備事業で培ったエンジニアリング力で、再生可能エネルギー由来電力を用いたグリーン水素利用システムの社会実装に取り組んでいる。

 新たな領域での研究を進めるべく、2019年12月には、民間月面探査プログラム「HAKUTO-R」のコーポレートパートナー契約を締結し、アイスペースとの協業を開始した。

 2024年冬に打ち上げが予定されているミッション2のランダー(月着陸船)に、同社が開発する月面用水電解装置を搭載し、月面に着陸した後、世界初の月面での水素・酸素生成に挑戦する。

 月面用水電解装置は、2024年1月に開発が完了し、アイスペースへの引き渡しが完了した。

 今後、ランダーへ積み込まれ、ランダー側との通信確認など、打ち上げに向けた最終調整を進める。

【月面用水電解装置】

以下で構成されている。

①水を電気分解して水素と酸素を生成する電解セル
②電気分解に必要な水と生成した酸素をためるタンク
③生成した水素をためるタンク
④装置全体を制御する電気ユニット
⑤これらを強固に支えるパーツ 等

概形は、縦 300mm ×横 450mm ×高さ 200mm。

特徴は、①低重力下でも作動する流体制御:地球と比較して約1/6の重力でも流
     体の安定的な流れを確保
    ②耐震性:ロケット打ち上げ時や月面着陸時の振動・衝撃への機械的
     強度を確保
    ③小型・軽量化:輸送用ランダーへ搭載するための条件をクリア
    ④熱制御:真空下でも装置温度を所定の範囲に保持
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