お茶をする人に「五月と言えば?」と尋ねれば
「炉から風炉になります」とお返事があります。
点前座に座って建水から蓋置を取り出し、
あららっどこに置くんだったっけ!!と慌てる五月です。
熱源(炭)を入れる風炉は畳の上にあります。
炉はこちら。
釜も熱源も畳より低い所にあり小さい囲炉裏みたいです。
それに伴い点前も使うお道具もかわります。
大雑把に言えば炉は冬仕様、風炉は夏仕様、
こうして半年ごとに炉と風炉が入れ替わり、
風炉になれば炉の点前を忘れ、炉になれば風炉の点前を忘れ~
何十年も飽きずにお稽古が続けられるのでございます。
お茶盌も少し平たいものが登場してきます。
五月のお茶の趣向は、八十八夜、初風炉、端午の節供などなどありますが
押さえておきたいのが「在原業平」
か き つ ば た の歌の人です。
「体貌閑麗,放縦にして拘わらず,略才学無し,善く倭歌を作る」
ルックス抜群、自己中、漢文はダメ、和歌は上手
といわれた平安時代の貴族。
業平忌が旧暦五月二十八日で、かきつばたがこの季節の花ですし、
業平由来の業平菱、業平格子という文様がお茶碗に描かれていたり、
伊勢物語からの「昔男」という銘の道具が使われたりします。
ちょっと業平のことを調べておくと
お席で「あ、業平ね」とか言えちゃいます。
お菓子は葛のものが作られ始める頃ですから
葛の柏餅を縁高で
チェコのクリスタルに水牡丹
雅羅素と遊ぶ 林孝子さん作のプレートに
沢辺の蛍
お菓子はすべて川口屋さん製
お菓子をいただく作法に炉風炉はありませんのでご安心ください。
茶の湯や和のしつらえにご興味がありましたら
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